沢渡日記

日々徒然

20181004

昨日の夜、どこにも出かけなかった。ドラマ、義母と娘のブルースの最後から二回分を観た。ふたりで飲みに行った帰りに、夜の水辺で麦ちゃんが亜希子さんに告白した。あれは最高だった。亜希子さんが旦那さんにしてほしかったこと、旦那さんが亜希子さんにしてあげたくてもできなかったこと、オレが全部やります。やりたいんです。大事にします!あんなにクズでどうしようもなかった麦ちゃんが愛の人になったんだなぁ…人は人に出会って引き上げられる。とても感慨深かった。何度も巻き戻して観ながら、カットソーの裾で涙を拭っていたらびしゃびしゃになってしまった。そして最後には亜希子さんの夢の実現のために大阪に送り出す。頰にキスをして。麦ちゃんカッコ良すぎだよね。録画を止めて小さくエレクトロニックを流した。洗面所で今日五十回目のうがいをして、歯を磨いた。今回のウイルスはなかなか手強い。抗生物質のクラリシロマイシンを飲んでもすぐに効いてこない。鼻の奥が重く、ウイルスの匂いがした。日々整えている腸内が抗生物質や炎症止めを入れてめちゃくちゃになるのは不本意だなぁ…と思った。でも仕方ない。明日の朝またR1ヨーグルトを飲もう。冷蔵庫を開けて一本残っているのを確かめた。

20181003

昨日の夜、ヨガに行った。いつもより汗が出ず、体が変だなと思った。喉にも違和感があった。ウイルスが入ったのかもしれない。家に帰って入念にうがいをして、豚肉や豆腐、香味野菜を使って栄養が摂れる食事を作った。食後にロキソニンと胃薬を飲んだ。家事を溜めておきたくなくて、洗濯とアイロンがけをした。キッチンのシンクをスポンジでこすり、洗面台の蛇口をブラシで掃除した。最近、こまめに掃除をするようになったせいか、細かいところまで目が行き届くようになってきた。何事もそうだけれど、ある程度継続すると発想が増えて熟練していく。脳が活性化する感じ。こういう取り組み方は自分に向いていると思う。パッと派手なことよりも地味なことを味わうように続けていくほうが。家事を終え、寝支度をするともう午前零時だった。

20181002

昨日の夜、ハードヨガのレッスンを受けた。筋肉をみっちり使うと、筋肉が息を吹き返して少し大きくなる感覚がある。経絡系のヨガとは違う、脂肪がじわりと燃えた時の汗が出た。家に帰り、キッチンで焼きそばを作った。キャベツと玉葱と豚肉を炒め、太麺を入れてソースを絡める。鉄板で炒めた時みうか焦げをつけたかったけれど、フライパンでは難しかった。食事をしながら録画しておいた義母と娘のブルースを観た。ベーカリー麦田の店長が亜希子さんの言葉に抗いながら何枚も脱皮していった。仕事は丁寧に誠意を持って。そうだよなぁと涙が出た。佐藤健が初めて綾瀬はるかのことを想って、みそあんパンの開発をした。彼の心に深い愛情が生まれた瞬間を見て、いいなぁ…これだよ…と思った。ふと、自分の出会いを振り返った。まだ冷徹で自分勝手だった頃は慈愛の心を持つ人に多く出会い、一緒の時間を過ごした。その後、自分が愛情をだんだん理解して少しずつ出力できるようになると、出会う人の種類が変わった。これはどう解釈すればいいのか。縁とは不思議だと思った。

20181001

昨日の夕方、ふらりとお祭りへ寄った。物産エリアでホタテ入りソーセージを買って、歩きながら食べた。そば粉のクレープを買おうか迷い、スパニッシュバルの出店でズワイガニのパエリアを買った。カウンターで食事をしながら、水の止まった大きな噴水を眺めた。賑やかなところに一人で紛れ込むのはいい。黙っていてもいいし、お店の人と少し話してもいい。お茶を飲みたくなってカフェに行った。店の中は誰も居なくて、静かなジャズが流れていた。アイスミルクティーのストローに口をつけて、昼間に買ったZINEをバッグから出してめくった。筆者はデザイナーで、モノ作りに対するあれこれが書かれていた。本当に表現したい真ん中の部分を空洞にして、周りを描いて真ん中を想像させるんです。こういう表現の仕方はとても好みだと思った。ある夜、恋人だった人がレコードを聴かせてくれた。私の好きな音楽は説明がないものばかりだった。説明がないのに、ひどく滲むような気持ちになった。ここにいるのは音と私だけで、隣にいるはずの彼が消える、そう思った。曖昧にそのことを伝えると、わかるよと彼はいった。音楽とセックスしてるんだね。私は返事をしなかった。律儀にも。ZINEの結びは、作品を創作する上での愛についてが書かれていた。何かに真剣に取り組んで来た人は、やっぱりそこに行き着く。ストローでアイスミルクティーをくるくると混ぜて飲んだ。氷はあらかた溶けてしまっていた。

20180930

昨日の午後、喫茶店で友達に会った。生プルーンをお祝いに渡すと彼女は喜んだ。おしゃべりするのは久しぶりだった。前の恋の話をしながら私は少し泣いて、彼女は黙ってティッシュを差し出した。髪結いの亭主というフランス映画を思い出した。髪結い屋を営む妻は夫に深く愛されていた。彼女も夫を深く愛していた。ある夜、彼女は川に身を投げた。その理由が今はよくわかる。店を出て、お祭り会場を軽く流してヨガへ行った。ブロックを使ったレッスンは経絡にじわじわと効き、これ以上汗をかいたら脱水になる…と思った。昨日の大量飲酒を相殺できたかもしれない。お風呂でお湯に浸かりながら、今夜は久しぶりに踊りたいと思った。家に帰って食事をして少し休んで、終電少し前に出掛けて…時間を逆算しながら、休みの日にスケジュールを組んで動きたくない、と考えをポーンと投げた。今日はオールフリーで、適当にしていればいいのだ。

20180929

昨日の夜、バーで僧侶のような人と待ち合わせた。旅のお土産に異国のハーブティーをいただいた。フワリと乾いた薬草の香り。赤ワインとビールで乾杯して、彼女の旅の話を聞いた。  博物館で、ストリートで、彼女は様々な人種の人々に声をかけられたらしい。今までの旅ではそういうことは少なかったんだけど、相手は喜びを共有できる前提で私に来てくれるというか…。ぽつりぽつりと言葉を選びながら彼女は話した。多分…今の自分と同じ位置にいる人ばかりだったと思う。そう彼女がいって、わかりますよ、と私は頷いた。ヨガスタジオで彼女から送られてきた古い教会の写真を見たとき、私も同じことを考えた。位置とは人が持つエネルギーの揺れのようなもの。もう少し飲みましょうか。彼女は店主に赤ワインをもう一杯頼み、私は烏龍茶を頼んだ。店の中にはトレイシー・ソーンが流れていた。それから二人で時間と空間の概念について話した。祈りをベースに生きている人には自分が普段考えていることが伝わりやすい。久しぶりに息を吹き返すような気持ちになった。私たちの信仰はアニミズムなのかしらね…あまり考えたことがなかったけど、しいて言えばそうなんでしょうね…。二人で深夜になるまでぼそぼそと話し込んでいた。

20180928

昨日の夜、残業。最終のヨガに間に合った。午後にコーヒーを飲んだせいか頭が変に覚醒していた。汗がいつもより出にくく、今ひとつスッキリしなかった。家に帰って温野菜とお豆腐を食べた。岩塩をパラリ。洗い物をしてお米を研ぎ鍋にセットしてから、Macの前にぽとりと座った。今日は仕事のことしか頭になく、余暇のない一日だった。温泉に行きたい。YouTubeキュウソネコカミのOSを何度も観た。スーパー銭湯最高じゃーい!のところでハモった。以前、GARAXYという曲が好きだった。人間が夜空を見上げて銀河に想いを馳せる。次は地球ではない星に生まれたいと思った。宇宙には五次元の世界があるらしい。どれくらい徳を積めばそこに行けるのだろう。ワイングラスに水を注いで、お香に火をつけた。THE MOON。好きだった人がよく焚いていた。誕生日にもらったはずだけれど、あれは何年前のことなのか。深い闇のような芳しい香りが部屋中に満ちてきた。お香は長く、まだしばらく終わらなさそうだった。燃え切ったらベッドに行こう…とクッションにもたれてぼんやり見ていたら、そのまま眠ってしまった。明け方に目が覚めると、テーブルの上に白い灰が弧を描いていた。