沢渡日記

日々徒然

20190220

昨日の夜、鍼灸院へ行った。前よりいいですね、と先生に言われた。先月末から右肩の凝りがひどく、真面目に食養生をしていたら効果が出た。筋の痛みは肝臓の調子が良くないせいらしい。ヨガはお休みしてまっすぐ家に帰った。昼間、久しぶりに風邪っぽいような怠さがあったので、ロキソニンを飲んでポカリスエットをがぶ飲みしたら上手くいった気がする。夕食は温野菜とタンパク質をたっぷり、蒸したニンニクも食べる。シャワーから上がるとちょうど十時で、はじこいが始まった。今回は現代文のレッスンだった。相手の心情を正確に読み取りなさい。晴れた明け方、山下くんは順子ちゃんの目を見ていった。フューシャピンクのコートの裾が風に揺れた。おでん屋で酔いつぶれた順子ちゃんを家まで送った山下くんは、そのまま順子ちゃんのベットで寝落ちした。二人で家から出てきたところをユリくんに見られてしまった。毎朝家の前まで自転車で寄って、彼女の部屋の窓を見上げるユリくん。片想いの切なさがぎゅっと伝わるいい回だった。ふと思った。自分よりピュアで心が綺麗な人を好きになると、その人の前で自分だけ濁ってはいられなくなる。相手は怒ったりしない、ただ悲しむから。それはかなりきついことでもある。そして別れて何年も経った頃、あの人と一緒にいて自分は洗われたんだな…と気づく。

20170219

昨日の夜、ハードヨガのレッスンに出た。家に帰って家事を少しして、食事をしながらぼんやりと錦戸くんのドラマを観た。錦戸くんは笑ってもどこか仄暗い。沈黙が似合う男だなと思った。ふと、バレンタインの夜のことを思い出した。あの人がチョコレートを喜んでくれてよかった。渡した時はあまり表情が変わらないからよくわからなかったけれど、後で丁寧なお礼状が届いた。男の人特有のプライドと甘えと照れが入り混じった謎の態度も可愛いなと思うけど、人して相手に礼儀を尽くせるのは素敵だと思った。相手の思いやりを正確な分量で受け止める、それは心に愛情を備えている人にとっては難しいことではないのだろう。バレンタインは一年の中で最も好きな行事で、そのタイミングで好きな人がいたらチョコレートを贈る。男の人にも女の人にも。色んな想い出があるし、想い出は宝だと思う。

 

20190214

昨日の夜、ヨガのレッスンの後、更衣室でずっと書き物をした。ゆっくりお風呂に浸かって外に出るとすっかりお腹が空いていた。バターチキンカレーが食べたくてカレー屋の前まで行ったけれど、九時半ラストオーダーに阻まれて断念。ラーメンを食べに行った。白味噌ラーメンでもかなり濃かった。それほど舌がビリビリしないから化学調味料は控えめかもしれない。帰り道、ぼんやり考え事をしながら歩いた。転職を決めてから仕事の仕方について色々と考えるようになった。苦手な部分を向上させるには、一定の期間厳しい環境下で修行すると早く確実に身につく。渦中はきついけれど、後々自分の役に立つ気がする。家に帰って昨日のはじこいの録画を観た。東大に受かりたかったら闇雲に勉強するな。あの学校は日本一効率と要領が良くて、応用力と思考力がある人間を求めているんだ。雅志くんはいった。ただ頑張るんじゃなくて、この上なく効率良く頑張れ。巻き戻してもう一度観た。身に染みるなと思った。このドラマが好きなのは、登場人物たちがめちゃくちゃ一生懸命で努力しているから。ラブが散りばめられていてキュンとするからだけじゃない。

20190308

昨日の夜、ふいに会いたかった人を見た。何気なくSNSを眺めていると、その姿が目に飛び込んできた。暗かったし遠目だったけれど、すぐにその人だとわかった。私は何度かその横顔を見返した。それからパスケースの中からもらった名刺を出して眺めた。連絡して。名刺を受け取りながら私は曖昧に笑った。返事はできなかった。仕草の美しい人だった。ぽつりぽつりと話す間合いも。これは一目惚れだとわかった。でも私は自分の一目惚れを全く信用していないし、誰かを不用意に好きになったりするつもりはなかった。だから丁寧にお礼だけ言った。名刺の取り扱いに少し迷って、また同じ場所にしまった。多分連絡することはないし、相手は私の連絡先を知らない。それでいいと思った。相手によってどこまでが関係性の正なのかはわからない。わからないなりに線を引く。あの人は一度会っただけで十分すぎた。また会っても、はじめから好きだったと思うだけだ。

20190213

昨日の夜、ヨガとお風呂でゆっくりして帰宅、はじこい五話のゴールデンコース。学校の図書室で勉強しているユリくん。合間に美和さんからもらった順子ちゃんの写真をボーッと眺める。いいね。順子ちゃんの緑のワンピースがすごく可愛い。私の生徒を否定することは許さない。順子ちゃんがユリくんを庇ってお母さんにはっきり言うところ、よかったな…。そして八雲くんの家が素敵すぎる。あんなに広くてピカピカだとさすがに寛げない気もするけど。紙の広さは思考力の広さだ。数学の問題を大きなスケッチブックで解くのは絵になるなと思った。色々考えなくてはならないことがあるけれど、やはり旬なので男のことばかり考えてしまう。考え出すと好きなのかどうかよくわからなくなり、でも延々と考えているということはもう好きなのか。まだ日が浅いので、バレンタインは手作りせず好きなチョコレート屋さんのチョコレートを買った。Don't think,Feel. まだ相手を感じるほどのデータがないだけかもしれない。どうして私なんですか?深夜のバーで洋梨のブランデーを飲みながら私は尋ねた。彼が返した言葉は印象的だった。

20190212

昨日の午後、ヨガの後、友達とカフェで待ち合わせた。お茶を飲みながら、二人で失恋にまつわる長い話をした。瀕死の重傷を負うことは避けられない、でも心は必ず再生するし、また新しく芽吹くよ。私は言った。これは実績からの意見だった。彼女はしばらく黙ってから口を開いた。恋愛は努力のしようがないところが納得いかないんです。勉強や仕事はがんばったらその分だけ評価される。でも恋愛はそうじゃない。私はしばらく考えてから答えた。恋愛は他のこととシステムが違うというか、ギャンブルの趣きが強いからね。どうしようもなく負けることってあるんだよ…。これも実績からの意見だった。ふんわりしたシフォンケーキに生クリームをつけて食べた。ヘビーな議題とのコントラストがすごい。でも女子っぽいなと逆に思った。自分が負けなしの人生じゃなくてよかったと思うのは、負けた分だけ多くのことを考えるし、人に優しくなれるからだ。それと終わることや始めることに慣れるし、自分のダメージに対する耐性がわかる。

20190302

昨日の夜、焼肉屋に行った。網の上で肉や野菜をトングで返しながら、男と話し込んだ。向かい合っていたので、こういう顔立ちの人なんだなと改めて見入った。腑に落ちない話はひとつもなかったし、とても誠実な人だと思った。私はあらゆる美しい気持ちを集結させて体内で天女の像を結び、そっと吐き出した。私はいま目の前にいる男に本当に優しい。ただ自分の態度に隙がなさすぎて、うっすらと違和感を感じていた。過剰に演技をしているような気持ち。でもそんなことはサラッと無視した。久しぶりのデートを楽しむ方が優先だ。