沢渡日記

日々徒然

20190406

昨日の夜、女友達と食事をした。すっきりしたハーブの香りがするビールで乾杯して、焼売や春巻きを食べた。近況を話しながら笑い合った。久しぶりな感じが全然しなかった。彼女はシンプルな白いシャツを着ていて、春らしくていいなと思った。食事の後、バーへ飲みに行った。ワインを飲みながら、二人で本の話をした。村上春樹騎士団長殺しは最高だといい合った。一番好きな小説は?と聞かれて、海辺のカフカと答えた。実際は一度しか読んだことがないのに不思議だけれど、毎回そう答えてしまう。あのひっそりとした図書館がいいんだよなぁ。そして美しい大島さん、真っ赤なスポーツカー。初期の頃だとダンス・ダンス・ダンスが大好き、というと、彼女は満面の笑みを見せた。ハワイね。そうそう。音楽の鳴っている間はとにかく踊り続けるんだ。羊男の言葉だ。踊るんだ。踊るんだよ。ふと、初期の頃の作品はセックスを死のように描いている気がした。今の作品は生の気配が強い。何がお好きですか?彼女に聞くと、スプートニクの恋火、と返ってきた。ミュウとすみれだ。

20190402

昨日の夜、テレビを観ながらぼんやり考え事をしていた。ようやく三月の締めが終わった。疲れたなぁと思った。多分疲れ果てている。テンションが張り詰めすぎてわからなくなっているけれど。周りは人事異動でバタバタしており、自分の周りもそこそこ変化があった。今後が不安です、と同僚に相談される度にうん、うんと話を聞いた。これからも一緒にがんばりましょう、は嘘になるから言わなかった。仕事を辞めることにして初めて思い至ったことがある。私は自分を上手く飼い慣らしてストレスなくここに居続ける努力はできなかったのか。それを私はすべきだったのか。わからなかった。秋にExcelシートを作成し、毎日マルをつけて投票した。辞める、辞めない、保留。ただ、投票結果を検証したいと思う時点でほとんど答えは決まっていて、単に裏付けを取っているにすぎない。離婚の時と同じだ。iPhoneにメッセージが届いて開いた。以前少しの間好きだった人からだった。桜の話を少しした。アプリの画面に桜の花びらがハラハラと舞っていて綺麗だった。

20190401

昨日の夜、テーブルのそばにライトを持ち込んでワークデスクにスイッチした。読みさしの投資の指南書をじっくり読んだ。普段は寝転がって本を読むことが多いけれど、ちゃんと椅子に座って読むのは集中できると思った。勝ち負けに対して感情的に中立であること、それはゲームの一部だと理解すること。そのフレーズを二度繰り返して読んで、顔を上げてお茶を飲んだ。それを私はどこかで経験している気がした。ふと恋愛だと思い至り、それが市場から下りない理由かもしれないと思った。私は恋愛中のある期間にだけ見ることができる、青空の甘い美しさをとても愛している。それはおそらく自分の心象風景の投影だ。投資と恋愛、その二つのシステムが似ていることはとても面白い。一息付いて本を閉じ、ミルクティーを淹れて飲んだ。紅茶を買った時に一つプレゼントで付いてきたブレンド済の粉末だ。ミルクティーってこんなに甘かったっけ。しばらくすると胃が痛くなってしまった。

20190331

昨日の午後、出かけるのをやめて昼寝をしたり本を読んだりして過ごした。徹夜明けの翌日は夜までちゃんと眠れないことが多い。ようやく年度末が終わった。二月から自分でも信じられない量の仕事をやり切ったので、お前すごいなーと自分を褒めた。ただ、その代償も大きかった。三月は極度のストレスのせいか原因不明の腰痛や瞼の腫れ、心臓の痛みや声枯れに悩まされた。男とも別れてしまった。そこまで自分を追い込まないと出来なかったのか…と思った。毎年三月はそうなのだ。怪我をしたり鬱っぽくなったり男と揉めたり。小さく音楽を流して、穂村弘東直子の短歌集を読んだ。冷蔵庫の扉を細く開けたままスリッパのまま抱き合う夜は。好きな歌だ。多分裸足で、ベッドから抜け出る時に床に落ちたシャツだけ適当に羽織って、女は冷蔵庫に飲み物を取りに行く。後から追ってきた男と抱き合う。灯りは冷蔵庫から漏れる白い光だけ。足首が冷たい。頰だけが熱い。いいなぁ…と思った。時間にしたら一分あるかないかだろう。でもその時間は縦に深い。永遠のような切片。

20190330

昨日の夜、幸福だった。それは久しぶりのことだった。幸福を両手いっぱいに抱えた素敵な人たちに偶然会い、たくさんの話をして笑い合った。そして、思いがけず自分の存在が誰かの喜びであることを知った。自分はいつも行き当たりばったりで、その時会えた人との時間はできる限り大事にするけれど、その後何ヶ月も音信不通になったりしてしまう。忘れるわけじゃないし気持ちはその時のままだけれど、時間軸に沿って定期的に人に会う仕様にない。だから相手に不義理だと思われても仕方ないのに、それでも覚えていてくれる人がいることに驚く。会えて嬉しいと喜んでくれたり、ハグしてくれることに感激する。だから今夜も、次にいつ会えるかわからない人たちに沢山の感謝を伝えた。手足を使って、言葉を尽くして。たとえば相手が雲の上の人であっても、前の恋人であっても。自分にできることはそれしかないのだろうなと思う。多分いつでも。

20190328

昨日の夜、残業明けに無理やりヨガへ行った。最後のクラスの先生は美人だ。深呼吸はいい。体の隅々まで酸素が届く。お風呂にゆっくり浸かって髪を乾かしていたらチェックアウトを過ぎてしまった。家に帰って焼うどんを食べながらWBSを観た。電子マネーの話題。LINE Payは知っていたけれどメルペイは知らなかった。電子マネーpasmoしか使ってない。食器を洗いながら今の仕事のことを考えた。喜びがないのが何よりイヤだなと思った。前は好きだったけれどもう好きじゃない人と未だに一緒にいるみたいだ。それとも私は好きになる努力をしていないのだろうかと考えた。体を壊そうが心をダメにしようが目の前の仕事を確実にやり遂げる努力はできる。でも好きになる努力はできない。寝支度を済ませ、きな粉豆乳を飲んで林檎を食べた。R1ヨーグルトを飲みながら何人かの友達に返信をした。個人投資家の友達から自宅の写真が送られてきた。やっぱり画面は三台要るのか。

20180327

昨日の夜、残業。体調はまだ不安定だ。家に帰って料理をしながら考え事をした。日中、同僚と仕事のやり取りをしていた時、相手の反応が鈍く何度もやり直しがあってイライラしてしまった。その人は優秀な上司の下について日々鍛えられているはずだ。不思議。色々考えた結果、 本人の資質に拠るのだなと気づいた。厳しい指導で伸びるタイプとそうではないタイプがいる。どれだけ向上したいか、どれだけ自分ができないことが悔しく恥ずかしいか…。焼いた豚肉にポン酢をつけて紫蘇で巻き、焼うどんを作った。食事の後、ローヤルゼリーの炭酸飲料を飲んだ。シャワーから出ると左瞼が赤く腫れている。疲れだなこれは、と思った。