20170821

起きたら薄曇り。朝ごはん食べよう、友人が寝室の扉を薄く開ける。だぼっとした青いTシャツを着てリビングへ向かう。よく眠れた?うん。出汁のきいた卵焼き、刻んだ茗荷をのせたお豆腐、白いごはん。いただきます。今日何時に出るの。九時ぐらいかなぁ…ごはんの量多くない?うん。カーテンの向こうの白っぽい空を眺める。厚い卵焼きを箸で割る。彼の作るごはんはいつも美味しい。ごちそうさまでした。私は両手を合わせる。食後、ソファーでゴロゴロする。コーヒー飲みたいなと思う。テレビからは芸能人のゴシップが流れてくる。雑多な町のノイズみたいだ。ゆっくりしていきなよ。俯いて銀色の時計をつけながら彼がいう。うん。返事をしながら飼い猫のような気持ちになる。このひとは友人のようでもあり兄のようでもあり、でも一番ぴったりくるのは飼い主だ。私はニコニコしたりぼんやりしたり、何か食べて美味しいというだけ。ただ懐いているだけ。目を閉じて少しうとうとする。前の恋人のことを思い出した。あのひとには上手く懐けなかった気がした。そろそろ行くよ、彼が立ち上がって黒い鞄を持つ。テレビを消して玄関まで見送る。いってらっしゃい、私がいうと彼はにっこりした。またね。かがみこんで抱き寄せる仕草はやっぱり猫を慈しむようだった。