20171024

朝、目覚ましの音をたっぷり五分間聞いて起きる。たった三時間半の睡眠。寝不足をなかったことにしてキッチンに立つ。昨日の夜、マッスル系ヨガで筋肉を多く使ったので、朝から豚トロを焼く。じゅうぅぅ、と脂に火が通るのをボーッと見つめる。昨日、洋服もアクセサリーも全部準備して眠ったので頭を使わなくてよい。甘めの卵焼きをふたつ焼く。たっぷりの温野菜と炒めた榎。お弁当をつめて残りを朝ごはんにして、食後に小粒みかんを食べる。お茶飲みたいな…もちろんそんな時間はないので緑茶のパックをポーチにつめて洗い物をする。今日は朝一から会議なので早めに家を出なくてはならない。昨日の夜、音楽を聴きにいった。闇の匂いがするロック、中近東っぽい民族音楽、遠い海鳴りのようなジャズ。ウイスキーのロックを舐めるように飲みながら、椅子の背もたれにもたれてじっと聴き入ったり、時折腕を高く上げて腰を揺らした。風邪が治りかけだから今夜はやめておこうかな。声をかけた友達から返事があった。私は彼の被写体になる約束をしていた。非現実的な写真が撮りたいと彼はいった。少し考えて、自分の踊りを見てもらうのがいいと思った。被写体。時間の止まった場所に自分を閉じ込められたい。そういう欲に気づいたのは思春期の頃で、自分を客体化して文章を書くようになったのもそこからだ。彼は私をどんな風に撮るのだろう。ファインダー越しの相手と自分。艶かしさのギリギリのラインだなと思った。闇の中で音楽を聴きながら踊っていると、現実世界から意識が遠のいてゆく。思考がユラユラと漂う。私は靴紐をきつく結び直して立ち上がった。ライトがぽつりぽつりと小さく床を照らしていた。友達というのは多分お互い嘘だ。