沢渡日記

日々徒然

20171105

朝、起きたら十二時半。薄曇り。思ったより早く起きられたので間髪入れずヨガに行こうと決める。着替えてバッグにヨガウェアをつめる。チョコレートをひとかけ口に入れ、MA-1を羽織って駆け出すように家を出る。道すがら、iPhoneを忘れたことに気づいて引き返す。レッスンに間に合わなくなってしまった。家に戻ってメイクをしながら、やっぱりカフェで本を読もうかなと思い直す。結局、服もアクセサリーも帽子もバッグも全部替えて家を出る。行動の後に思考が追いつくときは大抵よいとき。身体の方が先に正しい欲求に気づいている。昨日の夜、友達と飲みにいった。夜も更けた頃、初めて彼が抱えるトラウマの話を聞いた。彼はモテるタイプで、一緒にいて楽しい。でも奇妙なくらい恋を避けていて、ただ私には触れたがった。違和感があった。でもようやく理由がわかった気がして、私はただ、うん、うん…と話を聞いていた。彼は自分の傷が開くことを極度に恐れていて、色んなことをスルーしたかったんだなと思った。初めて会ったときの乾いた目と、ひどく冷めた話ぶりを思い出した。本当は温かくて屈託がなく、のんびりしたひとなのだ。今はそれがよくわかる。あなたが私に恋をしていないのはわかってたよ、と私がいうと、うん、まだできないんだ…ゴメン…と彼はいった。いいんだよ、恋をしてほしいと思ってるわけじゃない。それは、ゆっくり時間をかけて、できるようになったらすればいい。私はゆっくりと話した。でもあなたとこうして一緒にいるのは楽しい、今の話はほとんど誰にもしたことがない。ただ、あなたに話を聞いてほしかったんだ。彼は静かな目でそういった。私はうん、と微笑んで頷いた。指一本触れていないけれど今、私は彼をそっと抱きしめていると思った。こんな話ずっとしてて大丈夫?ゴメン…と彼は笑って、店員を呼んで焼酎のロックを頼んだ。好きなこと何でも話したらいいよ。私はニコニコして赤ワインのグラスに口をつけた。