20171111

朝、八時半。電気カーペットの上で凍えて起きる。明け方に帰ってきたから全然眠れていない気がする。毛布を剥いで立ち上がり、キッチンで水を立て続けに二杯。シャワーを浴びながら浴槽にお湯を張る。電気を落としてゆっくりお湯に浸かりながら、休みの日の朝風呂はいいなぁと思う。じわじわと冷えた脚が温まっていく。今日は十六時から歯のクリーニング、予定はそれだけだ。その後どこかにコーヒーを飲みに行こうか。昨日の夜、好きなひととお酒を飲んだ。二人だけで飲むのは初めてだった。彼は出町柳にあるバーの話をした。二日に一度くらいお店番が代わる店。いいなぁと思った。ずっとバーカウンターの内側に立ってみたいと思っているのだ。出町柳、一年半くらい行っていない。糺ノ森を散歩して、商店街をぶらぶらして、鴨川デルタでパンを食べる。それから叡山電鉄一乗寺まで足を伸ばして。またやりたいな。彼は小ぶりのグラスでとろりとした透明なお酒を飲んでいた。ウォッカだろうか。その後、様々な出会いの話をした。旅先や日常の中での。オレはあなたに会えて嬉しかった。彼が私の目を見てそういった。ありがとうございます、私はちょっと頭を下げてニッコリした。脳が反射的に一番フラットな受け答えをはじいた。私ももちろん同じだけれと言葉にしなかった。あなたに会えて嬉しい、あなたはずっと私が会いたかったひとだ。そう思っているのに自分がなぜそう思うのかわからなかった。まだ知り合って日が浅いし彼がどんなひとかもよく知らないのだ。ただ二人で話しているのは本当に楽しかった。このまま何十年も話していられたらいいのにと思った。グラスを持ってにこやかに話している二人が白骨化しているイメージが浮かんだ。前衛的な絵画みたいだ。夜更けすぎ、音楽を聴きに行った。カウンターの前で杯を合わせて、真っ暗なフロアで私たちはそれぞれ深海の魚となった。時折、彼の踊る姿が視界の隅で揺れた。エレガントだ。