20171120

朝十時、晴れ。ストーブをつけてキッチンでお米を研ぎ、またベッドに戻る。部屋の空気が冷たい。電気毛布をオンにして抱っこする。あぁ好きなひとで暖を取れたら、と思う。想像したけれど私より暖かくも冷たくもない気がした。起き出して高速炊飯のスイッチを押す。無音のまま朝昼兼用の食事を準備。夜中まで音楽を聴いた翌朝は耳が休みたがる。今日は残業確定だから動きやすい服を選ぼうと思う。昨日の夜、音楽イベントへ行った。先日会った真っ当な彼が声をかけてくれたのだ。フロアに立つと塗料の関係なのか、爪がブラックライトで白く光った。ゆらりゆらりとひとりで踊っていると、近くの椅子に座っていた女の子があなたの写真を撮っていいかと聞いた。はじめ、真っ当な彼を撮っているのかと思っていた。彼はかっこいい男の子だから。動いていてよければ、と私は答えた。私は腕を伸ばして爪が目立つように踊った。写真映えするといいなと思った。あなたの踊り方きれい、ダンスをやっているの?と聞かれて、サルサを少しだけと答えた。教えてほしい、というので彼女と一緒に少し踊った。きれいな顔立ちの子なのに管の詰まった印象があった。周りに構われ足りなくて自意識過剰な感じ。もう少しリラックスしたらいいのにと思っていた。徐々にステップを踏めるようになった彼女は、わぁ!と歓声を上げてキラキラとした笑顔を見せた。あぁ、可愛い。よかった…と思った。ありがとう!とニコニコして彼女はお酒を買いに行った。私はまたひとりで伸び伸びとスペースを使った。踊りはいい。何もかも手放して音とひとつになるのだ。最高だね。真っ当な彼に声をかけた。彼はニッコリしてレコードを手にブースへ戻った。時折、好きなひとの姿が視界に見え隠れした。まだ彼はフロアの方には来ないだろう。彼の視線の中で、私の真っ白な爪が蝶のようにひらひら舞うといい。私はラウンジから背を向けて、腕を高く上げて踊った。