20180129

昨日の夕方、ヨガのレッスンの前に一時間だけ贅沢をした。ごくたまに行くシックな喫茶店で一人の時間を過ごした。カウンターの隅の席に座って、グァテマラとドライフルーツのシフォンケーキを頼んだ。店の中には静かなジャズが流れていた。本が積まれている棚から松浦弥太郎の100の基本を手に取った。自分でも持っているのだけど、ここに来るといつも背筋を伸ばして読むのだ。定点観測。隣の席の女性達が大声で職場の愚痴を話していた。向かいにはひっそりとした美しい大人のカップルがお茶を飲んでいた。クラシカルな装いの女の子が斜め向かいに座った。店主はレジのそばで何食わぬ顔で俯いて雑誌をめくっていた。調和、とまた思った。最近のテーマだ。お金を払って時間を使って素敵な場所に滞在する時は、一番素敵な角度で調度品が見える場所に座るし、できるだけ品の良さそうな客さんの近くに座る。自分も物言わぬ観葉植物みたいになる。調和。ほんとイラッときてさぁ〜!隣から叫ぶような声が聞こえてきて閉口した。そういう話はここでしなくても良いのでは?隣をちらりと見て毒づきたくなったけれど、今の自分は観葉植物なのでもちろんそんなことはしない。本から顔を上げて、ゆるくホイップされた生クリームをケーキで掬って食べた。コーヒーに口をつけると、ガツンと苦くてパンチの効いた味。世の中には色んな人がいる。公の場で時間を過ごすとそのことがよくわかる。ふと、実家にしばらく滞在していた時のことを思い出した。自分の部屋には白熱灯の電気がなかった。寛げないなぁ…と思いながら一日過ごした。自分の中で蛍光灯は仕事用、作業用の光なのだ。電気屋に買いに行こうかなぁと母にいうと、私が寝室で使ってるライトに白熱灯モードがあるかも、と母はいった。その後二人で確かめて、自分の部屋のライトと取り替えてもらった。意識したことなかったわ!いっつも蛍光灯だからさーと母はいって、驚きすぎて声が出なかった。色んな人がいる。親子ですらこうなのだ。常連らしき女性がふらりと入ってきて、店主の向かいに座った。今日休み?うん。さざ波のように話し声が聞こえてきた。私はこの店では店主と距離を置いていた。特に相手も関心がなさそうだった。それが良いと思った。店主と打ち解けて次第に常連のようになるのは楽しい。でも、それは居場所を作っているようでもあり、どんどん居場所を失くしていくようでもあるのだ。無名でいられる場所は大事よ。時計を確かめると、もうすぐ出なくてはならない時間だ。あーヨガさぼりたいなー。でも行く。行くぞー!週末の暴飲暴食をオフにせねば。マフラーをぐるっと巻いて重い腰を上げた。