20180326

昨日のお昼、氏神様へお参りに行った。無事に春を迎えられました。手を合わせて感謝した。それから年明けからあったことなどを報告した。私は特定の宗教を持たないけれど、いつからか神聖な場所に出向き、お祈りをするのが習慣になっている。その時の自分の心の曇りがよくわかるのだ。神社を出て最寄駅から電車に乗った。ヨガのレッスンまで時間があったので、あてどなく繁華街をブラブラした。ランチでもしようかな。何軒か覗き込んだけれど、なかなかピンと来なかった。そろそろ時間切れかも…と思いながら角を曲がると、好きなカフェがあった。店に入って二人がけの席につき、ミートソースのパスタとドリンクのセットを頼んだ。背もたれにもたれて、大きな窓から外の景色をぼんやり眺めた。乳白色の日差しにはとろんとした春の重み。眠気がさしてくる…こんな陽気は久しぶりだと思った。店の中を見渡すと一人の客は自分だけだった。うちの旦那は…。後ろの席から会話が聞こえてきた。もったりした声で話す女の人だなと思った。本気で可愛くなろうとしている女の子達は発声や話し方まで研究する。この人にはそういう必要がなかったのだろう。どちらが幸せなのかわからないけれど。食後、マガジンラックからアンドプレミアムを取ってきて、パラパラとめくっていた。ふと、聞き覚えのある声が聞こえて顔を上げた。隣の席に二人連れが座って、思わず二度見してしまった。昔の恋人だった。相手はこちらに気づいていなかった。私はニットキャップに大ぶりのメガネで、神社でお参りをするために素顔のままだった。でも、さすがに斜向かいに座っていたら気づかれるだろう。まったく寛げないので、店員にこそっと声をかけて奥の席に移らせてもらった。彼に背を向けて座ってようやくホッとした。元彼にも二種類いて、会ったら嬉しいし楽しくおしゃべりする人と、二度と関わりたくないし顔も見たくない人に分かれる。すぐそばにいる人は後者だった。結局、予定より早めに店を出た。さっきお祈りしたばかりなのにどうしてこんなことがあるのかと思った。何ともいえない気分のままヨガへ行った。仄暗いスタジオでゆっくり身体を動かして目を閉じると、さっきの理由がじわじわと形になっていった。私は相手がイヤなのではなくて、昔の自分がイヤなのだなと気づいた。若くて残酷で欲深くて、自分のことしか考えていなかった。本当に都合がいいよな…。うな垂れるように思った。あの人は私にとても優しかったのに。ヨガのレッスンを終えて長風呂をした。すっかり気持ちが緩んでしまって、どこかに寄ろうと思ったけれどやめてまっすぐ家に帰った。録画の相棒を流しながら、電気毛布にくるまって騎士団長殺しを読んだ。ホットカーペットの上でそのまま居眠りしてしまい、起きたら午前二時半だった。ここまで来ると定番と呼べるパターンだ。