20180422

昨日の夜、女友達と食事に行った。中華は?いいねー。並んで話しながら、夜になりかけた街を歩いた。お店に着くと、ドアに臨時休業の貼り紙があった。えー残念、中華この辺にあるかなぁ。辺りを見回しながら歩いていると、通り沿いの雑居ビルに中華料理の看板が見えた。なんか気になるね。細長い通路の奥にその店はあった。扉を押すと店主と目が合った。小さな店だった。カウンターに通されて、私たちはメニューを広げた。ハチノスの長葱和え、餃子、焼売、春巻、酢豚、炒飯。二人で好きなものをたくさん頼んで、ビールと紹興酒で乾杯した。二週間ぶりのお酒はふわりと回った。あー久しぶり、と私がいうと、ゆっくり飲みなよー、と彼女はニコニコした。店主は毒舌で、テンポよく喋る人だった。反射神経が問われるね、と私たちは顔を見合わせて笑った。ぷっくりと大きな餃子に特製ダレをつけて食べた。皮はカリッとして香ばしく、種はジューシーだった。途中で酢に切り替えるつもりが、美味しくて全部食べ切ってしまった。飲んでみませんか?左隣の男性が白い甕に入った紹興酒を勧めてくれた。私たちはお礼を言って一杯ずついただいた。とろりとした独特の甘み。女友達は紹興酒に干し梅を落として飲んでいた。梅の味出てきた?と聞くと、まだ、と彼女は答えた。カウンターを隔てたヘリには伝票がいくつも並べてあった。皆あっちを向いたりこっちを向いたりしていた。半分いたずらのような気持ちで、私は伝票を丁寧に平行に並べた。電卓も平行にした。店主がA型?と私に尋ねて、いいえと答えた。平行に揃ってるのが好きなんです。私がいうと、日本人はシンメトリーに美しさを感じるんだよね、と店主はいった。それとランダム。私は箸を止めて店主の顔を見た。例えば前菜はシンメトリーに盛らないと美味しそうに見えない。ランダムはこれね。彼は右隣のお客さんに出したホタテと青菜の炒め物を指した。そうですねえ…感心して私は返事をした。店主は一見豪快そうに見えるけれど、実は繊細な人なのだろうなと思った。お客さんの動きをよく見ているし、隙間を埋めるように話しながら相手の特徴をよく捉えていた。私がどんな話に興味を持つか察したのかもしれない。酢豚には芸術的な素揚げの野菜が添えられていた。キレイ!と私がいうと、シンメトリーでしょう?と店主はニッコリした。コクのあるソースが絶品だった。中華というよりフランス料理のようだ。お皿にソースだけが余ってしまい、これ掬って食べたい…と呟くと、パン食べる?と店主がすかさず私たちに聞いた。ほどなくして、蒸し立ての花巻が二つ出てきた。フカフカして甘くて美味しかった。