20180503

昨日の午後、男友達とタイ料理屋で待ち合わせた。トムヤムチャーハンのランチセットを頼むと、銀色のコップで冷たいハス茶が出された。ここは初めて来る店だ。大きな冷蔵庫の上には異国の食材が積み上げられ、厨房の奥ではタイ語が飛び交っていた。開け放した扉からは明るい日差しが入り、床に濃い陰影を落としていた。冷房が強いな…。私は銀色の椅子を少し引いて体をずらした。ついさっき、この街に向かう電車の中で彼に連絡した。ちょうど夜に出掛ける予定で、それまで空いてますよと彼はいった。先に食べてるよ、と彼に連絡して食事を始めた。トムヤムチャーハンは酸っぱくて辛くてすごく美味しかった。レモンをギュッと絞って食べた。生春巻きをかじり、スープを飲んだ。どれもちゃんと異国の味がした。お客さんがひっきりなしに扉から入ってきては、店員の男性に満席です…と断られていた。人気のある店なんだなと思った。男友達がひょこっと扉の外から顔を出した。久しぶりー!と私は手を振った。さっき路地通って来ました?…さんの好きそうな店が沢山あった、彼はそういいながら黒いバッグを肩から降ろした。私は大きな通りから遠回りして来たので路地には入っていなかった。後で通りたいな、と私がいうと、彼はニッコリ頷いた。アイロンのかかった紫のピンストライプのシャツ。休みの日も相変わらず上品だなと思った。辛いかなぁ…と呟きながら、彼はガパオライスを頼んだ。仕事が忙しくて平日は全くプライベートの時間がないんです、彼はいった。毎日朝七時から夜十二時まで働いているという。働きすぎだよ、私はいった。ガパオライスは少し辛いようだっだ。ちょっと顔をしかめる彼を見て私は笑った。食事を終えて、タピオカのデザートを食べながらハス茶を飲んだ。この後、別の街にある喫茶店に行こうと思ってて、初めての店なんだけど。私がいった。静かで時が止まったような店なの。しばらく黙って話を聞いていた彼が、僕、ついて行っていいですか?といった。少し歩くよ、と私は彼に確かめた。ついて行くという言葉がいいなと思った。その実彼はエスコート上手だ。きっと最短ルートで乗り継ぎを調べ、目的地までエスコートしてくれるのだ。じゃあ行こうかー。私はニコニコした。飲みます?そういって、彼はハス茶を私のコップに注いでくれた。