沢渡日記

日々徒然

20180506

昨日の午後、夏みたいな日差しの中、広大な公園を歩いた。迷ったかも…と気づいて、大きな池の前で警備員さんをつかまえた。LGBTのイベント、どこでやってますか?あぁ、歩道橋の向こう側だよ。彼はニコニコと私が来た方を指差した。あー。引き返してしばらく歩き、歩道橋を上った。向こう側を見渡すと、一面にレインボーカラーのテント、フラッグ。沢山の人、人。虹の国…と思った。しばらく眺めてから会場に下りた。シールタトゥーしてみませんか、ブースからTシャツ姿の女の子に声をかけられた。レインボーの円に矢印が入ったモチーフだ。長袖のシャツをまくって、内側につけて、この辺、とお願いした。ジェンダーレスな格好をしてきたせいか、タトゥーはよく馴染んだ。少し歩いて、コカリキュールのお店でコカトニックを買った。通路の向こう側には派手なドラッグクイーンのお姉さんがいて、カップルと記念撮影をしていた。なかなかお目にかかれないのでじっくり鑑賞した。それからブラブラと色々なブースを見て回った。すれ違うのはガチムチのイケメンゲイカップル、ミニスカートをはいたおじさん、オネエの皆さん、男の子っぽい女の子とガーリーな女の子のカップル。皆本当に楽しそうで、ここは自由だと思った。ふと視線を感じて振り向くと、女の子と目が合った。相手はさっと目を逸らして全然見てませんでした、という顔をした。あぁそうか…と思った。声はかけられなかった。私も一人だし、誰かと出会いたくて来ているように見えたのかもしれない。炎天下を歩き回って少し疲れて、私はまた歩道橋に上って会場を見下ろした。遠くに見えるステージでは、ゲイのアイドルグループがセクシーに踊っていた。いいねーと思って眺めた。ここに来てみたかったのは、物見高い気持ちでもアライとして支援したいからでもなかった。自分も多分そうだからだ。それは比率でしかない気がした。特に自分はこうだと限定する必要はないし、自然のままにしていればいい。このイベントにはそういう気持ちになれる何かがあった。皆が皆の在り方を喜び合っていた。サイコーだ。ゆっくりコーヒーが飲みたくなって会場を離れた。袖をまくった腕はもちろんそのままで。歩道橋を公園側に降りると、くたびれたポロシャツと野球帽のおじさんカップルとすれ違った。サイコーだよ、とまた思った。