沢渡日記

日々徒然

20180516

昨日の夕方、スタバで千葉雅也氏の本の続きを読んでいた。器官なき言語、と頭の中で繰り返して本を伏せた。だんだん難しくなってきたな…。アイスコーヒーを飲みながらしばらくボーッとした。向かいにはアンテナの高そうなショートカットの女の子が座っていて、コムデギャルソンの新作バッグを持っていた。メルカリで買ったの、と隣の女の子に話していて、最近メルカリの話題をよく聞くなぁと思った。私は子供の頃からユーズド品が苦手で、ほとんど買ったことがない。フリマに参加しても売るだけだ。これは潔癖の一種なのだろうかと思った。借りるのは返すからいいけれど、自分の物にするのは気が進まない。連れの男の人は真っ黒に日焼けしていて、傷んだ肩までの髪を下ろしていた。モデルみたいだと思ったけれど、サングラスを外すと普通だった。手持ち無沙汰になるとスマホを取り出して連れの女子二人の動画を撮り始めた。動きの全てが演出めいていた。きっと退屈なのだろう。私は本を少し読んだりネットを見たり、女友達に連絡したりした。彼氏を置いて休みの日に出かけたら、機嫌がわるくなって口を聞いてくれないと彼女はいった。さみしかったんじゃない、と私はいった。なんとなくそばにいてあげなよ。そういえば自分もよくそうやって相手を困らせたな、と思い出した。店を出て、公園をずっと散歩した。新緑の紅葉がさわさわと風に揺れ、青い空には金の日差しが混ざっていた。ベンチに座って昆布のおにぎりを食べた。葉が重なり合って織りなす涼しげな模様。隙間からのぞく空の色。最高の木陰だ。