20180611

昨日の午後、映画、万引き家族を観た。終始、溢れそう、と思っていた。言葉が、でもなく、涙が、でもなく。人間の日々の営みは澄んでいて美しくて歪んでいて濁っている。その全部を見ていた。めちゃくちゃな環境設定の中にも愛は宿る。音楽も聴こえて来ず、涙も出なかった。そういう余裕はなかった。スクリーンを観ながら、自分を隔離したのは一人きりになりたかったんだなと気づいた。一人きりで、今までの時間を悼んで、ゆっくり忘れたかった。映画の後、一緒にいた人と食事をしたりお茶を飲んだりした。なんとなく透明な気持ちであまり喋らなかった。向かいでケーキを食べている姿を眺めてアイスコーヒーを飲んだ。四角くカットされた苺のショートケーキ。映画音楽、素晴らしいなと思っていたら細野晴臣でしたね。そういわれて私は曖昧に頷いた。まともにエンドクレジットも見ていなかった。あの物語を言葉にするのには時間がかかると思った。ずっと後になるまで。誰かと映画を観るのは久しぶりだった。五年ぶりか、それ以上かもしれない。