沢渡日記

日々徒然

20180721

昨日、自分の中で海の日と定めた。午前中にスタバで友達とお茶を飲んで、彼女を駅まで送ると、病院の診察までちょうど三時間あった。海へ行こうと思いついた。快速に乗ると二十分で一番近い海に着いた。駅に降り立つと昼下がりで、最寄りのコンビニに寄って焼きそばと燻製フランクフルト、煮卵を買った。ビールはやめて炭酸水にした。日差しが強かった。帽子を目深に被って海まで歩いた。サンダルを脱いでリュックに詰め、裸足で堤防によじ登った。ぐいっと腕に力を入れた。懸垂みたいな動きはいつぶりだろう。海は大雨の影響なのか波打際が少し濁っていた。でも空が晴れていたので遠く向こう側はくっきりとしたブルーだった。日差しで首筋がちりちりと暑かった。堤防に座って炭酸水をぐびぐひと飲んだ。少し、ぬるい。おなかすいたー。買ってきたものを袋から出した。今年初めての海ランチだ。風ではためかないように、片手で蓋を押さえながら焼きそばを食べた。そうか、海には潮風があるんだなと思い出した。私が生まれたのは海沿いの街だ。でも赤ちゃんの頃なので記憶はなく、あとはずっと森のそばで暮らした。海は懐かしい場所ではないけれど、帰ってきた感じがする。潮風に吹かれて波音を聴いているとそう思った。フランクフルトをかじり、煮卵を食べた。それから穂村弘東直子の短歌集を読んだ。カマンベール・チーズしずかにとけてゆく脈打つ肌を布に包んで。食べていいよ、と男が言う。何を?と女が尋ねる。食べていいよ。本を置いてまた海を眺めた。空には薄く雲がかかりはじめていた。チーズが溶けるのを横目で見ていたいと思った。横目で見て、あとで、と瞼を閉じたい。