沢渡日記

日々徒然

20180819

昨日の夕方、ゆるい坂道を登ってカフェに行った。大きな六人がけのテーブルに着き、アイスミルクティーを頼んだ。本棚から東京奇譚集を取ってきて読んだ。偶然の旅人、久しぶりだ。夕暮れの金が混ざった日差しが眩しくて、窓のシェードを半分まで下げた。アイスミルクティーには甘みが少し入っていた。偶然が重なって小さな奇跡のようなことが起こる。そういう話だった。昨日の夜、クラブへ行った。主催の男の子にDJブースの前まで行って挨拶をした。彼は両手を拝むように合わせてニコッと笑った。それから時間を忘れてゆったりと踊った。深く静謐なアンビエントが流れている間、私は目を閉じた。月の上でたった一人で踊っているようだった。フロアで何人もの知り合いや友達に会った。女友達とラウンジのソファーでおしゃべりが弾んで、日曜にカレーを食べに行く約束をした。私の日々もささやかな偶然に支えられている。本を閉じて、もう一冊の村上ラヂオを読んだ。相変わらず春樹さんはマジカルな視点で重箱の隅をつついている。