沢渡日記

日々徒然

20180914

昨日の夜、デートはできなかった。恋人から仕事が終わるのが十時を過ぎると連絡があった。帰り道にコンビニへ寄ると、惣菜コーナーに真空パックのおでんが売っていた。久しぶりに見た気がして、思わず買ってしまった。家に着き、おでんを鍋で温めて食べた。美味しかった。あったかい食べ物はありがたい…と思った。洗い物を済ませてぼんやり音楽を聴いていると、仕事が終わったよ、と彼から連絡があった。遅くに家に来た彼は、疲れ切った顔をしていた。炭酸水を飲みながら、小さく音楽を流して話をした。彼が私の膝で眠りそうになって、ちゃんと寝なよ、と私はベッドへ促した。暗闇の中、横になって彼は電子煙草を吸った。シューッと吸いこむ音がする度に、先がほんのり紫色に光った。私も少しだけ吸わせてもらった。意外に煙草の味をしっかりと感じた。まだ寝ないよといっていた彼は、そのうち私に抱きついて眠りに落ちた。背中に腕を回すと彼の深い呼吸を感じた。永遠かと思うほど長い時間、私は彼の髪を撫でた。愛おしさで胸がつぶれそうになった。私は百年分の幸福を前借りしているのかもしれない。瞼を閉じながらそう思った。