沢渡日記

日々徒然

20180925

昨日の午後、買い物へ行った。フリーマーケットでワイングラスとライターを買い、アクセサリーショップでネックレスを修理に出し、無印良品で電気毛布と電気ラグを買った。帰り道に寄ったデパ地下で、洋菓子屋が並ぶエリアを流した。今夜は中秋の名月です。あちこちの店でポップが貼られていた。お月見団子を横目で見つつ、ショートケーキを買って家に帰った。キッチンでアッサムティーを淹れた。窓を開けると満月は明るく、輪郭がぼんやりと滲んでいた。部屋の電気を落としてケーキを食べた。生地はフワフワとやわらかく、フォークを入れるとあっけなく崩れた。生クリームとスポンジを掬い取って口に運んだ。窓の下を見おろすと、月を見上げている少年がいた。突っ立ったまま身じろぎひとつせず。紅茶を飲んで、最後に残った大粒の苺を食べた。夢のように美味しかった。iPhoneを手に取って、メッセージを打った。二人のやりとりは、何号室だったかな?という彼の発信で止まっていた。吹き出しの中に表示された七文字を見つめた。彼がどこかで同じ月を見上げているといいと思った。ワイングラスを洗って丁寧に拭き、冷たい水で満たした。紫色のお香にライターで火をつけた。甘ったるい夜の香りが立ち込めてきた。水を少し飲んで、ぼんやりとお香の先が灰になっていくのを見ていた。月が綺麗ですね。送信ボタンは押さなかった。