沢渡日記

日々徒然

20181001

昨日の夕方、ふらりとお祭りへ寄った。物産エリアでホタテ入りソーセージを買って、歩きながら食べた。そば粉のクレープを買おうか迷い、スパニッシュバルの出店でズワイガニのパエリアを買った。カウンターで食事をしながら、水の止まった大きな噴水を眺めた。賑やかなところに一人で紛れ込むのはいい。黙っていてもいいし、お店の人と少し話してもいい。お茶を飲みたくなってカフェに行った。店の中は誰も居なくて、静かなジャズが流れていた。アイスミルクティーのストローに口をつけて、昼間に買ったZINEをバッグから出してめくった。筆者はデザイナーで、モノ作りに対するあれこれが書かれていた。本当に表現したい真ん中の部分を空洞にして、周りを描いて真ん中を想像させるんです。こういう表現の仕方はとても好みだと思った。ある夜、恋人だった人がレコードを聴かせてくれた。私の好きな音楽は説明がないものばかりだった。説明がないのに、ひどく滲むような気持ちになった。ここにいるのは音と私だけで、隣にいるはずの彼が消える、そう思った。曖昧にそのことを伝えると、わかるよと彼はいった。音楽とセックスしてるんだね。私は返事をしなかった。律儀にも。ZINEの結びは、作品を創作する上での愛についてが書かれていた。何かに真剣に取り組んで来た人は、やっぱりそこに行き着く。ストローでアイスミルクティーをくるくると混ぜて飲んだ。氷はあらかた溶けてしまっていた。