沢渡日記

日々徒然

20181009

昨日のお昼、公園へピクニックへ行った。パン屋でバターロールと豆パンを買い、スーパーで唐揚げと野菜ジュースを買った。木立の中のベンチに座り、テーブルの上に食材を並べていった。遠くで鳥の声が聞こえた。落ち葉の隙間から薄紫色のクロッカスが咲いていた。微かな葉擦れの音を聞きながらパンを食べた。本当に静かだと思った。野菜生活のグレープ味を飲み、唐揚げをつまんだ。こんなに長く人に会わないのは久しぶりだった。特に必要とも思わなかった。片割れの彼と一緒に過ごしていた頃、私たちは色々な話をした。そして深く響き合い、互いをわかり合ってしまった。まるで完璧な抱擁のように。そのことで私の中の全ては満たされてしまって、恋から出た今でも変わらなかった。あの人は私の何なのだろうと不思議に思った。一過性の恋の縁なのだろうか。考えても答えは見つからなかった。食事を終えるとひんやりと手が冷たくなっていた。テーブルの上を片付けて、林の中の小道をゆっくり歩き出した。空はうす青く高く、時折乾いた風が渡っていった。ふと紫陽花の株の前で立ち止まった。花びらの、紫から茶までのグラデーションをしばらく見つめた。紫陽花は随分しどけなく枯れるんだなと思った。