沢渡日記

日々徒然

20181231

昨日の午後、紅茶を淹れて本を読んだ。長いお休みなんだし出掛ければいいのに、と思わなくもなかった。でも普段の生活では、ゆっくり本を読む時間がなかなか取れない。心理学と数学と旅行記とエッセイ。色んなジャンルを取り揃えた。哲学の本を買うのをやめたのは、自分の真ん中に哲学があったからだ。そのようなことを考えたくて、哲学に通じている別のジャンルを放射状に選んだ。マドレーヌとフィナンシェどっちが好き?母に聞かれて、フィナンシェと答えた。お歳暮でいただいたらしきお菓子の箱からひとつもらった。アーモンドの香りがして美味しいよね、と母は言った。私は頷きながら、青酸カリの匂いはアーモンドに似ている、という話を思い出した。梨木香歩エストニア紀行を読むにあたって、まず国旗を調べた。青と白と黒。クールな色合わせだ。Googleで世界地図を開いて位置を確かめ、ネットでエストニアのコラムをいくつか読んだ。電子政府、電子国民…。今までじっくり調べたことがなく、面白くて止まらなくなった。ビジネスの予定はないけれどエストニア国民になりたい。登録料は一万三千円。銀行口座も作れるらしい。エストニアのシンボルカラーは目の覚めるようなクリアなブルーだ。夕方、読み物にひと段落つけて散歩に出た。道路の向こう側から夕陽が真っ直ぐに差して、眩しくて信号が見えないほどだった。どうして今、エストニアなのかと思った。何年も前から話題になっていたのに。世の中の流れに関心が持てないのはいつものことだ。自分のタイミングが来た時でいい。