沢渡日記

日々徒然

20190120

昨日の夜、バーへ行った。珍しく朝から予定がぎっしりで、さっきまで女三人で食事をしてお喋りに興じた後だった。賑やかな時間の後にはひとりの空白の時間が欲しくなる。ビールを飲んで、店主や左隣に居合わせた人と音楽の話をした。日常から切り離された話をしていると、浮遊しているような心地よさを感じる。この店は特にそういう場だった。隣にいた人が帰り、私は温かい烏龍茶を頼んだ。右隣にいた三人の中の一人が欲望について語っていた。欲望に忠実でなくてはならない。なんとなく聞きながら、私には強い欲望がないと思った。その人は知り合いだったから、例えばどんな欲望があるの?と尋ねようとしたけれどやめた。扉が開いて、ふとそちらを見た。美しい顔立ちの男の人が入ってきて、私の一つ開けて左隣に座った。店主に紹介されて挨拶をした。初めて会う人だった。話を聞いていると遊びに行くイベントが同じで、今までなぜ存在に気づかなかったのか不思議なほどだった。店が混み始めて店主があちこちでお客さんの相手を始めた。それからは二人でしばらく話した。話が尽きない人に久しぶりに会って、脳が喜ぶのを感じた。多分頭のいい人なんだなと思った。話の理解が早くて受け答えが柔軟。以前女友達が、賢い人と話すと通りが早くて楽だといった。今も似たようなことなのかもしれない。終電まであと少し、という頃に私は席を立った。彼はこれを飲んだら別の店に行くと言った。また会えると思いますよ、と私はニッコリした。