沢渡日記

日々徒然

20190915

夕方、空は少し曇って、雨が降りそうだった。カーペットの上でゴロゴロして過ごしていたけれど、八百屋へ買い出しに行こうと起き上がった。着替えをして洗面台で歯を磨きながら、黄色い歯ブラシが収納ケースの一番端に収まっているのを眺めた。昨日の夜、歯を磨きたい、と彼が言って洗面台へ向かった。歯ブラシある?と声がしたので、あなたのはそこに入ってるよ、と私は寝室から返した。間違いない?と聞かれて、間違いないと答えた。私の家で歯を磨く人はあなたしかいないから。それは特に言わなかった。シャワーを浴びてからベッドに潜り込むと、彼の腕が私の背中をぎゅっと抱き寄せた。想像よりコンマ二秒早く。歯を磨き終えて、ピンクの歯ブラシを黄色い歯ブラシの隣にポンと差し込んだ。外に出て、ぶらぶらと八百屋まで歩いた。店先でおばちゃんと話しながら、生プルーンと茄子とミニトマトを買った。セロリの大束も。買い物袋を提げて歩きながら、空を見上げた。私は彼にめちゃくちゃ優しくしたくて、寛いでほしくて、幸福にしたかった。それは多分彼も同じという気がした。でもどんな愛なのだろう。説明がつかなかった。わからないことはわかるまで放っておこう。いつものように。家に帰ったら生プルーンを食べよう。