沢渡日記

日々徒然

20190916

昨日の午後、女友達と会った。フレンチレストランの出店で、赤ワインと牛肉を包んだクレープや、茸のクレームブリュレを頼んだ。噴水の脇で食事をしながら、最近の話をした。恋愛の話が多かった。幸せになりたいね…と彼女が呟いて、うん、と頷いた。そろそろ移動しようか。立ち上がって、出店がひしめく中をくぐり抜けるようにして歩いた。真っ直ぐ歩くのが難しいくらいの人混みだった。信号を渡って別のブロックに差し掛かった時、店先に知った顔を見た。見かけるのは久しぶりだった。ひょろりと背の高い、猫背のフォルム。オレたちは高さが合わないから、彼がいつか私に言ったのを思い出した。背を向ける彼とすれ違いながら、もう話すこともない人だ、と静かに思った。人混みを搔き分けるように進んで、広い道路に出た。こっちから行こうか。女友達とブラブラ歩いてベトナムフェアへ向かった。バインミー食べたいけどさっきフランスパン食べちゃった、チェー食べたいな、などと二人で話した。平和な夕暮れだった。雲間から覗くオレンジ色の空を見上げて、元気そうな姿を見れてよかった、と思った。彼には感謝していた。彼のことを好きすぎて自分を粉々にしてしまう前に、向こうが私のことを嫌いになった。その後、しばらく復活できなかったけれど、あのとき命拾いをしたと思う。ベトナムフェアではステージで歌のショーが始まるところだった。チェーが売り切れで一時間待ちだって〜!友達が屋台の張り紙を見て残念そうな声を上げた。