沢渡日記

日々徒然

20200610

シャワーの後、ざっとドライヤーをかけて生乾きの髪を巻き上げて簪で留め、キッチンに立つ。玉ねぎを刻んで炒め、豆乳にめんつゆを足して和風クリームソースを作る。さっき、仕事で疲れたーと呟いたら、タイムリーにお疲れ様、と彼が連絡をくれた。どうして?と考える。嬉しいけど、嬉しくなりすぎる。誰にでも似たようなことをしているなら、私には控えてほしいと思う。好きな人から頻繁に連絡があると、フラットに気持ちを保つのが難しくなる。あなたも私のことが好きなんですねと変換したくなる。この前、彼と一緒に長い時間を過ごした。二人ではなく、周りには彼の知り合いや私の知り合いが何人かいた。ただお酒を飲んで話したりボーッとしていただけだけど、誰かと八時間一緒にいて気づまりじゃないのは私にとって奇跡に近かった。品のある面白い人だから会話をしていると楽しくて気持ちがいい。でも、一番好きなのは彼の気配だった。なんとなくそばにいて、柔らかいバリトンの声を聞いていたいのだった。パスタを茹で上げて、焼いた豚肉としめじを混ぜたクリームソースに絡める。粗挽き黒胡椒をザッザッと振る。水菜とレタスのサラダに、ミニトマトと炙った揚げを小さく刻んで添える。もう一度好きって言ってくれないかなと思う。二回言われれば、多分ハグだ。