沢渡日記

日々徒然

20210320

お昼はナスのトマトソースパスタだった。プロの料理人のご飯は贅沢だ。私があまりに美味しいというので、彼は私に料理を振る舞うのが楽しそうだ。喜ぶのは本心だけと特技でもある。食後、コーヒーを飲みながらあんドーナツを分け合って食べた。コロナ禍の中で、国境が開いている国の話をした。ドバイに行ったことがあるかと私が尋ねると、ないと返ってきた。コンマ一秒、返事が早かった。ハワイも国境開いてるよ、と彼は言った。それを受けて私は、ふんわりとハワイの話へ移行した。コーヒーは深煎りで、スッキリと濃い。あんドーナツを全部食べていいか聞くと、いいよと返ってきた。たまに、相手の想定を上回る質問を投げることがある。それは遠くの海に釣り糸を投げるのに似ている。どんな展開になるのか、純粋なる会話の遊びとして。例えばコンマ一秒のタイミングで、相手が私にどのような優位性を感じていたいのかがわかる。もちろん、私はそれに気づいたことを全く相手に悟らせない。気持ちの機微を表した方が負け。今まで自分はそういうゲームをやりすぎたのかもしれない。量は質に転化する、というフレーズを思い出した。夕方、図書館に寄った。心理学を絡めた話し方の本をじっくり読んでしまう。自分はこんなに人の心理について学んで、一体何になろうとしているのか。