20171230

昨日の午後、久しぶりに降りた駅は少し綺麗になっていた。好きな街だ。ゆるい坂道を登って小さなショップにバッグを見に行った。OLなのにFULRAやCOACHのバッグに関心がない。機能的で女らしいのにね。エレガントなものに興味がないのかもしれない。スタイリッシュなものは大好きだけれど。アッシュな雰囲気の大ぶりなトートバッグを買った。坂道を登って歩道橋を渡ってねカフェに入った。二階席で熱いコーヒーを飲んだ。ぼんやりと目の前に座る外国人の恋人たちを見ていた。静かにひっそりと話して、時折ふわりと笑い合って。上質だと思った。映画みたいでずっと観ていられる。彼らが席を立ち、その後座った日本人カップルには目を覆いたくなった。ベタベタと互いを触り合い、この前食べた牡蠣がぁ、とボリューム調節のない大声で話した。私はすぐ席を立った。静かなお客さんばかりなのに、調和する気持ちってないのだろうか。それに低くやわらかい声の出し方ってあるよね。その後、書店へ行き、文庫本を二冊買った。穂村弘東直子のコラボ歌集と、長嶋有の小説。特に長嶋有に関しては心がどこにも偏っておらず柔らかくないと読めない。休暇中、そういうコンディショニングでいたいと思った。描かれている人々の繊細な心の動きに、ひとつひとつ気づいて感じ入ることができるような。乗り換え駅のデパ地下でお土産のパンを買った。バタール、シンプルな角食、パンプキンの角食。暖房の効いた電車に揺られながら何度もうたた寝してしまい、乗り過ごさないようにiPhoneを取り出して画面を眺めた。この前会った前の恋人のことを思い出した。コンマ二秒早く返事をするのは照れているとき。意地悪をいうのは気持ちが溢れそうになったとき。私たちは別れてしばらく経っているはずだよな、と思った。二人でいるのはあまりに自然で、まるで先週も会っていたみたいだった。まもなく…駅に到着します。最寄駅を告げるアナウンスが流れた。私はリュックを背負って立ち上がった。