沢渡日記

日々徒然

2019-01-01から1年間の記事一覧

20191231

紅白を見ながらぼんやりして、時々柚子サワーを飲んだ。さっき庭の木から捥いできた柚子の実を鼻先に近づける。いい匂いがする。男女別の赤白対抗戦というのは時代に合わない。本当にそうだなと思った。自分はパンセクシャルなんだろうな、と早いうちから気…

20191230

夜、ツタンカーメンの番組を観ながら柚子サワーを飲んでいた。湯冷めしないようにフリーズのジッパーを首元まで引き上げる。ミイラにする時、心臓だけを体内に残すのだそうだ。とりあえず私は、自分の心臓のことをどうにかしなくてはならない。彼は縁のある…

20191229

午後三時、美しい渚に立って海を眺めた。今年一年を浄化するように。海は凪ぎ、静かに波が打ち寄せていた。今年は前半に繁忙期と転職活動と退職、後半に転職と長い研修と繁忙期があった。おそろしくハードだった。七月に精神的抑圧からの解放で、毎週お祭り…

20191228

夜七時、お茶を飲みながらなんとなく荷造りを始めた。俺の話は長い、の録画を流してボーッと眺め、また少し荷造りをする。全く捗らなかった。昨日の夜、飲みすぎたせいか頭が機能していない。iPhoneを手に取ってメッセージを打ち、しばらく眺めた。もうずっ…

20191227

午後十一時半、もう少し二人で飲むことにして外へ出た。川沿いの道は風が冷たくて、ダウンのジッパーを首元まで上げた。目当てのお店は十二時で閉店のようで、窓から漏れる灯りを立ち止まって眺めた。どこ行く?大通りを渡った先に四時までやってるお店ある…

20191225

その日は遅くなっちゃうから年明けにする?と彼に聞かれて、今会いたいから、と返しそうになった。一呼吸置いて、文面をマイルドに修正した。時間があるときにゆっくり会いたい、と言われるよりも、明日一時間でもいいから会いたい、と言われたい。急いでい…

20191224

食後、ドライフルーツのシフォンケーキとアッサムティーでイブを祝った。音楽は色々と迷った末、ベニー・シングスをかけた。旋律がマジカルで声がスイート。仕事帰り、職場の同期の子とデパ地下へ寄った。すごい賑わいで、チキンの行列、並ぶ気失せるね…とい…

20191223

仕事帰り、雑貨屋で美しい耐熱グラスを見つけて、自分へのプレゼントとした。花屋で白いガーベラを買った。ドライフルーツのシフォンケーキをホールで買った。最近全然日光を浴びる機会がなく、気が塞いで仕方がない。でも買い物袋を幾つも提げて歩いていた…

20191221

午後、検査の合間にランチへ外に出た。カフェでパスタを、と思いつつ入ると店の中は混んでいた。料理が出てくるまで三十分ほど待つとのことで、ギリギリ間に合いそうなので頷いた。ロケーションの良い席を選んで座ると、向かいのテーブル席の退屈そうな顔を…

20191216

夜九時、門出を祝った。仕事の才能がある人だと知っていたから、とても喜ばしい気持ちだった。よかったね、と私は何度も言った。まだわかんないよ、と彼は謙虚に答えた。わかるよ、と思ったけれど言わなかった。この先、彼は成功を収めるだろう。久しぶりに…

20191214

ランチの約束は十三時だった。友達が少し遅れるというので、三十分後に約束を変更しよう、と返事をした。午前中から出かけていたので、一旦ひとりで一服したかった。セブンでコーヒーを買うと、カップがクリスマスバージョンで赤のプリントだった。ちょっと…

20191213

コアントローを垂らしたアイスココアを飲んでいた。チョコレートにほんのりオレンジの香りがする。最後にはこの体からも出られる、という安堵がある。そして、もうどこにも移動しなくていい。死ぬことを考えると怖い、と話す友人の声を聞きながら、そう思っ…

20191211

食後、洗い物の後で白い大皿を漂白した。イカスミの黒が傷にしみそうな気がしたのだ。昨日淹れて冷やしておいたアイスティーを飲みながら、ぼんやりと考え事をした。音楽はかけなかった。今、目の前にいる人に全力で親切にしたい。それは今の仕事をする上で…

20191209

仕事明け、デパ地下でとんかつを買って家に帰った。お米を炊きながら揚げを炙り、沢庵を刻んだ。ニートニートとんかつまだか!俺の話は長い、第九話で揚げたてのとんかつを見てしまってから、ずっと食べたかった。録画を観ながら、ぶ厚いお肉とお米をたくさ…

20191207

朝、森の中を散歩した。マスクを外し、清冽な空気を肺いっぱいに吸い込む。時折、散歩する人とすれ違った。お腹が満たされているせいか、不意に気を失いそうな眠気が来る。夜遊び明け、ハイグレードなホテルのモーニングを食べに行った。品のいい宿泊客の朝…

20191206

女子会でアジアンナイト。トムヤムクン、蟹の黒胡椒炒め、搾菜、ガパオライス。美味しいご飯を食べながら、二人で好きなことを喋る。仕事で一日ぶっ通しで話しているけど、プライベートで感覚だけを使って話すのは脳へのご褒美感がある。順不同に、喋りたい…

20191205

週末に完璧なオフを実現しようと決めて、前倒しで水回りの掃除を行なった。自分が過ごす空間が綺麗なのは良い。洗濯機を回しながらシャワーを浴び、髪をブローしてから食事の支度をした。沢庵を刻んでフライパンで炒りながら、簡易燻製機が欲しいと思った。…

20191204

コーヒーを淹れて黒豆大福を食べた。テレビでは相棒が始まっている。右京さんと冠城の声を聴いているだけでよかった。ぼんやり仕事のことを考える。お客さんは解決を求めているし、スッキリ納得したくて電話をくれる。できないこともあるけど、できることは…

20191203

帰り道、同期の女の子とビルを出た。冬の風が冷たくて、上着の襟元をかき合わせた。寒いね、疲れたー、気力が持たない!あと三日あるよ、長い〜、二人で好きなことを言いながら交差点まで歩き、手を振って別れた。また明日ね。信号を渡って別のビルに入った…

20191202

マドレーヌを食べながら紅茶を飲んだ。温めて飲んでみてから、冷たい方が香りがよかったと気づいた。テレビでは瀬戸くんがフルーツタルトを作っている。テーブルに頬杖をついてぼんやり眺めた。今日はあまり元気が出ない。寝不足のせいかもしれない。仕事明…

20191201

お昼過ぎ、雨の公園を散歩した。褪せて水気を失った紅葉の葉先にそっと触れる。冬が来たのだ。神社へお参りに行くと、前に長いお祈りをする人がいた。少し離れた場所でそれを待った。お祈りをしてから御神木の幹に触れた。雨でしっとりと濡れていた。パン屋…

20191130

霜月が終わる。お昼にストーブの点検に入ってもらい、合間にアンチウィルソフトの更新を行なった。有効期限2022年11月30日。私はその頃何をしているだろう…と思った。ふと、また自然な流れが来て転職しているといいなと思った。病院に寄って薬をもらい、喫茶…

20191129

今夜はお祭りみたいですね。テーブル越しに立つ人に声をかけると、お祭り好きですか?と彼は尋ねた。柔和な笑顔。はい、と返事をしてニコッと笑った。立ち姿に風情があって、何となく話したいなと思った人だった。灰皿を借りたい、と言う彼が斜向かいの椅子…

20191128

夜、モトカレマニアを観ながらビタミンレモンを飲んでいた。ヤマシタ君の気持ちがピュアすぎて痛かった。 この世に別れなんてなければいいのにと思った。お互い好きなのに別れるのって、行き詰まるからなんだよなと思った。これ以上発展性がないことに、希望…

20191127

仕事明け、ブーツのかかとを修理してから家に帰った。確定拠出年金の移管手続きの電話をしてから、揚げを炙って刻んだ沢庵を炒め、豚肉とシメジで焼うどんを作った。食事中、宅配の荷物が届いた。俺の話は長い、の録画を観ていた。みつるはアスカに振られて…

20191126

夜、七年前の日記を読み返していた。考えていることはあまり変わっていなかった。テレビからはドラマ、まだ結婚しない男が流れてきていた。信介のスピーチが泣けた。リョウジはどんなに辛い状況でも絶対に逃げなかった、だから奥さん、あなたからも逃げない…

20191125

どうして誰かと過ごしてちょっと幸せになりたかっただけなのに、失恋プログラムが作動しているのだろう。どんな別れでも精神は疲弊する。疲れた…。もう色んなことがよくわからない。わかるのは、魂が震えない人とは長く一緒にいられないということだ。必要な…

20191124

午後、友達とお茶を飲みに行く。今の悩みを聴きながら、安全ネットの上の茫漠とした地獄を思った。

20191124

午後、友達とお茶を飲みに行く。今の悩みを聴きながら、安全ネットの上の茫漠とした地獄を思った。そういう場所にいたことがあるが、体がイリイリして出てしまった。私には何もないかもしれない、という気持ちはわからなくはなかった。ただ、何かを持ってい…

20191123

窓の外からの低い朝日を浴びながら、彼の背中に向かって尋ねた。あなたは私のことがどんな風に好きなの?ストーブにあたりながら彼は答えた。それは恋とは別の、人としての愛情だった。心がシンと静まった。じゃあもう会えない、と私は言った。マグカップか…