沢渡日記

日々徒然

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

20210731

夕方、気温はまだ32度を超えていた。待ち合わせのカフェには女友達がもう来ていた。アイスコーヒーとパウンドケーキを頼んで、眼鏡についた汗を拭いた。ネイビーとゴールドの爪が綺麗、と私が言うと、あなたに会うために今朝塗り替えたんです、と彼女は言う…

20210730

仕事明け、図書館で待ち合わせした。ちょっと探したい本があるから後で迎えに行くね、といって私は思考関連の本棚を見にいった。岡潔の本を見つけて、立ったままパラパラとめくった。また今度ゆっくり読みに来ることにして、振り返って風の人を探した。彼は…

20210729

仕事明け、買い出しに行く。生ハム、粗挽きブラックペッパー、レモン、ダイストマト、黒オリーブ、レタス、アボカド、マヨネーズ、炭酸水。ラムレーズンのアイスも。家に着いて仕込みを始める。終わると22時半だった。試作品を食べながら、味見しすぎてよく…

20210728

大きなお客さんの仕事。資金の流れを掴むまで、ぎゅっと詰め込んで作業する。暑さであまり眠れていないし、集中しすぎたせいか、吐きそうなくらい疲れてしまった。夜、風の人と週末のデートの約束をする。奥ゆかしく自分の状況や私への気持ちを伝える言葉選…

20210727

仕事明け、デパ地下に買い物へ行く。お弁当用に魚が買いたかった。活〆の天然ブリが出ていたのでまとめて買った。今夜のご飯の巻き寿司と稲荷のセットも。電車に乗りながら、電話で聴いた風の人の声を思い出していた。週末のハードな行事の疲れで力のない声…

20210726

午後、言葉の行き違いから懸念すべき事態が起きて、今の仕事を離れることも含めてあれこれ想定していた。また一からどこかでやり直すのはやぶさかではなかった。アウェイが好きだし、ゼロから努力して何かを手にするのも好きだ。ただその反面、苦労して手に…

20210725

仕事は緩めだった。大量の昆布を切ってジップロックに詰める、という地味な仕込みをした。お客さんからウーロンハイをいただいたので、カウンターまで乾杯しに行った。賄いの焼きそばを食べながら、ここまで連日暑いと体力的に厳しい、と思う。食後はシェフ…

20210724

朝早くから病院をハシゴした。歯科のレントゲン撮影は三年ぶりだったが、問題なく順調とのことだった。親不知もこれ以上出てこないでしょう、と聞いてホッとする。乳腺外科の検査も問題なく、一年後で良いとのことだった。午後に友達とカレーを食べに行く。…

20210723

夕方までオフ。氷水を飲みながら、ベッドの上で本を読んで過ごす。村上春樹の一人称単数をようやく全部読み切る。風の人とカフェに行きましょうという話になったので、いくつか店を考えた。急がずゆっくり話をしましょう、という気持ちを嬉しく思った。急ぎ…

20210722

朝から仕事。厨房の中は目眩がするくらい暑かった。昨日のお酒がまだ残っており、初めのうちは効率が上がらなかった。調理担当は初めて組むスタッフだった。その人のリズムを横目で眺めて、合わせていく作業は面白い。終始慌ただしかったご褒美に、オーナー…

20210721

朝から粛々と作業。合間に職場に届いたお中元を皆で分ける。林檎、桃、梨、さくらんぼ。果物アレルギーのある人を確認して、野菜ジュースを省く。あまり意識していなかったけれど、野菜ジュースには林檎が必ず入っている。夕方、誰かが四連休まであと89分、…

20210720

朝、一本の電話を受けた。心がザクザクと傷つく音がした。普通の顔で仕事をするのは、やや厳しかった。帰りに友達を呼び出して、公園でビールを飲んだ。一人で勝手に決めて、黙って突然いなくなるのはひどい。同じ気持ちを二人で共有した。裏切られた、じゃ…

20210719

風の人が作った創作物は、色っぽい気配が漂っていた。摂取した後に、私は自分の胸の奥にある気持ちを表現する言葉がない、と思った。言葉を尽くしても周りをぐるぐる回るだけで。ハグでも足りないし、セックスでも多分足りない。それらはある方向性の愛情の…

20210718

仕事はぼちぼち忙しかった。今日から生ビール出すから宣伝してね、とシェフに言われる。普段から瓶ビールを飲むお客さんは嬉しそうにオーダーしてくれた。M氏にサーバからの注ぎ方を習う。飲食歴が長い彼は、手つきが滑らかで優雅だ。賄いはアジフライだった…

20210717

朝の十時半過ぎ、セブンのコーヒーを買った。真夏日で、アイスコーヒーを買わないのは酔狂と思われた。でも儀式だから。家に着いて花瓶の水を替えて、カーペットにごろりと仰向けになった。暑い。時々起き上がってコーヒーに口をつけた。ゴロリと向きを変え…

20210716

夏日の夜。川沿いをお喋りしながら散歩した。風の人が川のそばまで寄れる場所まで案内してくれて、私はレジャーシートを敷いて、焼売とイカのサラダのパックを並べた。目の前から水の流れる音が聴こえてくる。涼しげだ。赤ワインのボトルを開けてもらって、…

20210715

夕方までどっぷり頭を使ってから二時間研修。完全に抜け殻になる。帰りがけ、周りでお喋りしている中に入っていけず。二年後、めちゃくちゃ忙しくなるから、という話をぼんやり聞いていた。二年後?果たして私はまだここにいるのだろうか。皆さんの話は聞い…

20210714

仕事帰り、公園に寄る。薔薇が見頃だった。ピンクに咲きほころぶ、小ぶりの薔薇を撮る。帰宅して、食事の支度をしながらFNS歌謡祭を流す。三浦大知くんを観ると元気になるなぁと思う。興味のない人に移ったのでApple Musicで聴いてみる。やっぱり姿を見ない…

20210713

仕事明け、公園に寄った。緑の中にいると心も体も静かに充電されるのがわかる。今日も限界まで頭を使って自分が空っぽになった。いつものベンチに座ってしばらくボーッとした。桂の葉の丸いフォルム、その向こうに透ける青。ずっと居たくなっちゃっていいん…

20210712

日中、初めての案件に着手し、混迷を極める。極限まで頭をフルに使ったら抜け殻になった。仕事明け、ヨレヨレの状態でスーパーに寄る。途中、背の高いマンションの敷地内を通ると、鮮やかなピンクの立葵が咲いている。簡単なことを楽しむ練習をしたらいい、…

20210711

午後二時に待ち合わせて、公園を散歩した。その公園は私がいつも時間を過ごしている場所だ。以前、緑の中にいると落ち着くという話をしたら、いいなぁ、と風の人が言うので誘ってみたのだ。駆け足で公園に向かっていたら、いろはすのボトルを持った彼に後ろ…

20210710

夜、ばったり好きだった人に会った。話すのは一年振りだった。私が突然姿を消した理由を話すと、俺もあなたが好きです、会いたかったといわれた。私は何も言わなかった。会いたくなかったと思った。私が好きだったように、この人は私のことを好きではない。…

20210709

午後、先輩が不在だったので引き出しから赤のフリクションを借りた。書類チェックをしながら、やっぱり自分でも買おうと思う。昨日よく眠れなかったので、眠さと闘いながらコーヒーを飲みつつデータ処理を進める。失言の多い一日だ。日頃セーブして言葉を選…

20210708

仕事で嬉しいことがあったので、今夜は無礼講とする。花屋に寄って、深い青のスプレーデルフィニウムを買う。それからスーパーに寄って、神ののり塩ポテトチップスとアサヒドライブラックを買った。自宅に着き、ひとりでしみじみお祝いをする。お祝いはまず…

20210707

午前中、上司と面談して今後の方向性を決めていく。三ヶ月働いた所感を尋ねられて、この仕事は想像よりずっと興味深い、と話した。同業種で経験を積んできた人達が多い中、異業種からポンと飛び込んだ自分は異色だ。この仕事は圧倒的に一人で作業する時間が…

20210706

帰宅して、豚キムチ炒めを作る。仕上げに胡麻と海苔を散らす。揚げを炙って大根おろしとポン酢で…と思ったが、大根を切らしていたので代わりにキュウリを擦る。夏らしくて美味しかった。昼間、先輩と画面を見ながら資料の説明を受けたが、私こんな仕事できん…

20210705

仕事中、粛々と調べ物を進めた。時折、件の人の滲むような気配を感じて、じっと耐えた。身近に恋愛感情めいたものを持つ対象がいるのは、落ち着かないものなのだろう。常にWi-Fiの電波を体がキャッチしているような自分の状態も、疲れると言えばそうだし、面…

20210704

仕事はわりと余裕があった。手作業しながら厨房でお喋りできるくらい。オーナーが、お弁当って開けた時がテンションのピークじゃない?と言った。そうかなぁ?私とスタッフちゃんは答えた。だって冷めてるしさー美味しく作るの難しいし、と話は続いた。私は…

20210703

背中から抱きすくめられながら、遠くの夜空を見つめた。あったかい、と思った。腰を下ろした石畳はひんやりと冷たく、夜風が柔らかく吹き渡った。遠くで花火をする人たちのはしゃぐ声が響いた。ふいに涙が出て来て、これは何の涙だろうと思った。私は深く安…

20210702

夜更けにハグをした。夜に対して垂直に。そういう気持ちになることもある。さらっとした、後にも先も続かない十秒間。うっすらと今夜は何かがある気がしていた。自分のコンディションがずっとオンラインのままで、揺れも続いていた。店のカウンターでばった…