沢渡日記

日々徒然

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

20190929

少し外を歩きましょうか。彼が言って、私たちは店を出た。午前四時。まだ夜が続いている。彼と並んで歩くのは久しぶりだった。二人で何時間お酒を飲んでいたのだろう…。白ワインですっかり酔っていた。前を向いたまま、ぽつぽつと何気ない話をした。靴音が夜…

20190923

朝から雨が降っていた。テーブルの上でノートパソコンを広げてずっと仕事をしていた。思い出したようにグラスの水を飲み、窓の外を眺めた。昨日の深夜、大丈夫ですよ、とメッセージが届いた。一瞬ホッとして、その後、気持ちがめちゃくちゃになった。全然好…

20190922

シャワーを浴びて、髪を乾かしながら音楽を聴いていた。ノルウェーのダウナーなエレクトロニック。ブラッシングで仕上げをした後、途中まで読んでいた本をまた開いた。エイブラハムの感情の二十二段階。自分の気分が現実になるというのは、前から知っている…

20190921

コーヒーを飲みましょうか。きれいに晴れた朝だった。コンビニでホットコーヒーを買って、二人で公園まで歩いた。光合成したい、と彼が青空を見上げて言った。噴水の見えるベンチに座ると、眩しいほどの日差しが降り注いできた。さっきまで、真っ暗なフロア…

20190918

夜、林檎を食べながら、欠けていく月を眺めた。来年の今頃は何をしているだろうな、と思った。三年前は、ずっと好きだった人と明け方にキスをした。二年前は、雷に打たれるような一目惚れをした。一年前は、恋人を愛しすぎて百年分の幸せを感じていた。そし…

20190916

昨日の午後、女友達と会った。フレンチレストランの出店で、赤ワインと牛肉を包んだクレープや、茸のクレームブリュレを頼んだ。噴水の脇で食事をしながら、最近の話をした。恋愛の話が多かった。幸せになりたいね…と彼女が呟いて、うん、と頷いた。そろそろ…

20190915

夕方、空は少し曇って、雨が降りそうだった。カーペットの上でゴロゴロして過ごしていたけれど、八百屋へ買い出しに行こうと起き上がった。着替えをして洗面台で歯を磨きながら、黄色い歯ブラシが収納ケースの一番端に収まっているのを眺めた。昨日の夜、歯…

20190914

真夜中を過ぎて公園のベンチに着くと、彼は先に来ていた。目を閉じて仰向けになった彼の腕をそっと揺すった。起き上がった彼はトロンとした目で、さっきタクシーの中でウイスキーを飲んでさ…と呟いた。木立の向こうに白く光る満月が見えた。きれい、と私が言…

20190913

図書館から出ると、微かな風が吹いていた。少し肌寒い。夜空を見上げると、丸く静かに光る満月が見えた。今夜は中秋の名月だ。歩きながらメッセージを送った。月が綺麗ですね。今夜はどちらですか。電車に乗って、一つ先の駅で降りて喫茶店に入った。店は空…

20190908

昼下がりに盛り蕎麦を食べながら、凪のお暇、八話目の録画を観ていた。過呼吸で倒れた慎二は、糠床のタッパーを取りに来た凪ちゃんに泣きながら好きだと言った。そして、慎二はそのままゴンさん宅で一週間のお暇に入り、アパートの住人達で共同生活のような…