沢渡日記

日々徒然

20210716

夏日の夜。川沿いをお喋りしながら散歩した。風の人が川のそばまで寄れる場所まで案内してくれて、私はレジャーシートを敷いて、焼売とイカのサラダのパックを並べた。目の前から水の流れる音が聴こえてくる。涼しげだ。赤ワインのボトルを開けてもらって、さっき買ったばかりのグラスに注いでもらう。ボトルの口をタオルハンカチでそっと拭う、その仕草が良かった。スペインの赤ワインはコクがあって、でも飲み口はサラッとしている。夏によく似合った。これからやってみたい仕事の話を少しした。思いは型になるから、すでに起こった現実かと思うくらい具体的にイメージするといい、と私は言った。そういえば、そうやって私はこの人を見つけたんだと思った。ずっとそばにあって、知覚できなかったもの。しばらくのんびりと過ごしてから、ピクニックをおしまいにした。シートを畳んでいると見つからなかったウェットティッシュが出てきた。全部撤去した後に、彼がiPhoneのライトで周りを照らして忘れ物がないか見てくれた。荷物を肩にかけて、じゃあ行きましょうか、と彼に声をかけた。白い柵に腰掛けて、私を見上げるような表情がよかった。屈み込んで、そっと彼の頬に唇をつけた。