20180318

昨日の夜、久しぶりに男友達と会った。店の中にはヒップホップが流れていて、DJブースの前で退屈を気取った男の子や女の子がごちゃごちゃと固まっていた。ドープでストイックなイベントに行くことが多い私は、ノリに慣れない…と思った。この場にいる自分が好き、という空気が充満しているのはどうも苦手だ。奥のテーブル席に座っている男友達を見つけて声をかけた。振り返った彼は…さん!とパッと笑顔になった。会いに来たよー、というと、オレも会いたかったー!と彼はニコニコした。ビールをごちそうしてもらって、彼と彼の友達と三人で乾杯した。最近遊びに来てたの?結構久しぶりなんだよー。二人で話しながら、ちょっと痩せたかなと思った。彼は気が合う男の子で、秋によく遊んでいた。美術館に行ったり夜更けまで一緒に飲んだりした。そのうち彼に彼女ができたので連絡を控えた。彼女とはどう?と聞いてみると、おかげさまで上手くいってます、と彼は答えた。私はホッとして、いい子なんだねといった。大事にしてくれるひとを見つけてほしいと思っていたから嬉しかった。彼の寛いでニコニコしている姿を見ながら、ボタンをひとつかけ間違えていたら我々は恋に落ちていたかもしれない、と思い出していた。当時、かけ間違えないように最新の注意を払っていたのは、彼のことが人として好きだったからだ。楽な方に流れて上手くいくケースもあるかもしれないけど、それはこの組み合わせでは違う気がした。タバコ吸ってくるねー。彼が男友達と外に出て行ったので、私はDJの前で軽く揺れ始めた。サンプリングされている曲がよかった。でもタイトルは思い出せなかった。それから二曲聴いて、この人のセンスは好きだなと思った。私は周りにぶつからないようにしながら、スペースを広く取って踊った。もう一杯飲もうよー。男友達が戻って来て、カウンターまで移動して白ワインを頼んだ。出てくるのを待ちながらスタッフの女の子と少し話した。来月のイベントのフライヤーを二枚もらった。周りから混線するみたいにいくつもの話し声が聞こえてきた。上澄みみたいな会話、時折嬌声。誰も彼もが自分のさみしさから背を向けているように思えた。皆自分となんて向き合いたくないのかもしれない。キラキラとした賑やかな場所で、同じような何かを抱えた知り合いや友達で寄り集まって、一斉に記憶喪失になる。そういう夜。白ワインのグラスを受け取って、男友達と小さく杯を合わせた。