沢渡日記

日々徒然

20181128

昨日の夜、イベントへ行った。友達が音楽をかけていたので挨拶をして、ビールで乾杯した。店の中は現代アート風にデコレーションされていた。白い布が天井からたゆたうように吊るされ、ブルーのミラーボールの光が幾多にも重なって壁に写っていた。水槽の中みたい。オーナーがアート担当の男性を紹介してくれた。イベントでたまに見かける人だった。その人はどうも、とニッコリした。挨拶をしながら、優しい目をするんだな、と思った。彼は音楽を聴きながら長い布を張ったり廃材を飾ったりしていった。完成はないんだ、ライブアート。彼はそういった。私は小さく体を揺らしながらディスプレイが変化していくのを見ていた。面白かった。近くに寄って仔細に見たり、引いて全体を眺めたりした。音楽が闇に似たテクノに変わり、頭の中が濃い紫色に侵食されていった。遠く向こうで彼が白い布を広げ、オブジェを眺めながら考える様子が見えた。その白い布を私の胴体に巻きつけてくれないか、と思った。もちろん彼にはいわなかった。フロアはすいていて知り合いもいなかったから、猫みたいに気ままに適当にしていられた。本来イベント遊びってこういうものじゃないかと思った。今夜はオーナーに会うためにここに来たのもあった。最近、先のことを考えていると彼の顔が頭に浮かんだ。なぜかはわからない。でも特に何もなかった。じゃれるような会話を少ししたくらいだった。いつものように。