沢渡日記

日々徒然

20200710

仕事明け、ビルを出ると空は曇っていた。夕暮れの海を見に行こうと思っていたけれど、電車に乗るのをやめた。友達に会いに行き、暮れゆく空を眺めながらコーヒを飲んだ。好きな人の話をした。ずっと長いこと、あの人よりも好きな人ができない、と私は言った。失いたくないし、一生一緒にいたい。話を聞いていた友達が、結婚すればいいんじゃないの?と聞いた。斬新だった。そうあるためには友達でいるの一択だと思っていたから。結婚ねぇ…。確かに愛情の量には見合った行為なのかもしれないけれど、まるで想像できなかった。長いこと友達でいるから、どうやって距離を変えたらいいのかわからないし。ただ恋愛感情だけの人なら代わりが効くのに、私は呟いた。今までは失っても困らない人としか付き合ったことがなかったのだ。それもどうかと思うけど。マドレーヌを食べながら、自然に好きじゃなくなるまで彼を好きでいるんだろうな、と思った。