沢渡日記

日々徒然

20210402

朝、所長にコーヒーを淹れた。こういう儀式めいた行いは久しぶりだ。クラシカルでいい、と思った。男女の概念が薄い職場にいた頃は、それなりに自由で良かった。ただ、Tシャツにデニムとか、髪がピンクの人と働くのは落ち着かなかった。ノックして所長室に入る。所長は今日も上等なスーツを着て、ピンと背筋が伸びている。立派な書斎椅子に腰掛けた上司の姿を眺めるのは良い。自分ももちろん、エレガントな服装で、やわらかい物腰を心がける。コーヒーをお持ちしました。所長は嬉しそうに微笑んだ。歳上で立場のある男性を立てるのが、私はわりと好きだ。その人がしてほしいことをさりげなく行う。それはある種、暗黙のバーターなのだと思う。優しさに基づいて行うと、恩恵は循環する。