沢渡日記

日々徒然

20180730

昨日の夜、ヨガの後に本屋へ行った。ヨガのレッスンでチャクラを意識した動きをするので、少し調べてみたくなったのだ。イラスト付きのチャクラの本を立ち読みしていたら、隣にレイキの本があった。そういえば友達がレイキヒーラーだったなと思い出した。二冊買って近くの喫茶店へ行った。アイスミルクティーを頼んで、チャクラの本を読んだ。チャクラは尾骶骨付近の一から頭頂の七まであり、それぞれが色を持っているようだ。赤から紫のグラデーション、虹と同じ。チャクラはただ開けばよいわけではなく、程よいバランスが必要らしい。なかなか難しいものだなと思った。レイキの本をパラパラとめくった。元は日本古来の霊氣という手法だという。昔は皆、手をかざして不調なところを治していたようだ。手当、という言葉が思い浮かんだ。普段からヨガや東洋医学で自分の体をメンテナンスしているので、スピリチュアルといわれる類の中でも身近で実際的だと思った。本を閉じてアイスミルクティーを飲んだ。氷が溶けてちょうどよく薄まっていた。ぼんやりと昨日のことを思い出した。明け方にクラブから出て、ふたりで少し歩いた。空は晴れていて、夏の朝の涼やかな風が吹いていた。気持ちいいね、と二人で話した。こんな時間が持ててよかった、彼が空を見上げたまま呟いて、私は何も言わずに彼の横顔を少し見た。大通りに出てタクシーに二人で乗り込んだ。家の方向がたまたま同じだった。別れがたいような気持ちで、でも大人はそれを口に出さない。家のそばで停めてもらって、来週また、と手を振って降りた。握手もせず、連絡先も聞かなかった。店が混んできたのでお会計をして外に出た。おなかすいたし眠い…。料理をしたくないから家で豆乳だけ飲んで寝ようかな。ロングスカートの裾をつまんで駅の階段を降りた。

20180728

昨日の夜、花火を見た。友達と、友達の恋人と三人で。行くことは決めていたけれど、誰を誘うかは決めかねていた。どうしようかなぁ…仕事終わり、噴水の前のベンチでボンヤリ考えていた。そうしたら偶然彼女が通りかかった。花火行かない?私が誘うと彼女はニッコリした。堤防を降りて人波をかき分けながら進み、川岸のそばに場所を取った。大きな丸い月が低い空に浮かんでいた。三人並んで座って、次々と打ち上がる花火を見上げた。一番はしゃいでいたのは友達の恋人だった。おっきいねー!すごいねー!無邪気に声を上げる彼を横目で見て、私はクスクス笑った。会うのは初めてだった。彼女はいつものことのようで涼しい顔をしていた。楽しかったねぇ、三人で川沿いを抜けてぶらふらと夜道を歩いた。ちょっと、飲みましょうか。坂道を上ると以前よく来ていた町に出た。ふと思い出して、いい居酒屋があるんですよ、と私はいった。家族経営のこじんまりした店で、いつもガヤガヤと混んでいる。店先で少し待った。ヱビスの瓶ビールケースが積まれていて、彼がじっと中を覗き込んでいた。夜になるとそれほど暑くなく、風が微かに吹いていた。奇跡の花火日和だったね、彼女と二人でいい合った。席が空いて、三人でテーブル席に着いた。ヱビスの瓶ビールで乾杯した。麦芽百パーセントだから、彼はニコニコといった。たまたま食べ物に気を遣う顔ぶれだったので、私は陰陽の話をした。陰に傾くと鬱々とするし、陽に傾くとフワフワと落ち着きがなくなる。それを食べ物で調整するんです。敏感なんだね、と彼は神妙な顔でいった。うーん…メンテナンスが大変で。私は笑って塩辛をつついた。彼は自分で塩辛を作るのよ、今度おすそ分けするわ。彼女がいって、私は嬉しくてうんうん、と頷いた。と答えた。ねぇ、ヱビスのラベルに鯛が二匹いるの知ってる?めったに見つけられないんだけど、瓶ビールにしかないのよ。彼女がいった。知らない!私は答えた。あぁそれでさっき彼は外でケースを覗き込んでたのか。友達と友達の恋人と三人で会うのが好きなのは、彼らの日常が垣間見えるからだ。呼吸のリズムとか、当たり前に交わされる会話とか。はいお待ちー。焼き茄子と串盛りが運ばれて来た。

20180727

昨日の夜、仕事明けにお蕎麦を食べに行った。夜になると居酒屋になる店だ。カウンターには仕事終わりのサラリーマンやOLが等間隔で並んでいた。ハレの日のごはんではなく、ごく当たり前の日々のごはん。皆一様に気が抜けた顔をしていて、周りにも関心がない。いいなぁ、寛ぐなぁ…私もぼんやりした。お品書きを眺めながら決めかねていると、右隣の人が鴨そば大盛りを頼んだ。うん、やっぱり鴨でしょ。私も鴨そばを頼んだ。左隣の人はおそばと日本酒を頼んでいた。蕎麦屋で一杯。いいね。鴨そばは脂の浮いたこっくりとしたおつゆが最高だ。久しぶりのごちそうをしみじみと味わった。食後、蕎麦湯をもらって、おつゆで割って飲んだ。はー幸せ。ヨガのレッスン中、水をぐびぐび飲んだせいか胃痛を起こした。まずいなぁ…と思いながらポーズを取り続けた。脂と水が胃の中で暴れている。後半、架け橋のポーズで胃と脾臓を伸ばすと、スーッと痛みがおさまった。ヨガで体の経絡を流す効果は日々実感しているけれど、ここまでとは。体は素直だ。木曜のレッスンは一時間かけて全ての経絡を流し、7つのチャクラに働きかける。このレッスンに通いだしてから五感が鋭くなった。たまに困るのは音が大きくクリアに聞こえすぎることだ。敏感も良し悪しだなと思う。お風呂でお湯に浸かっていると眠くて仕方なくなった。上がったらバスタオルで髪を巻いてそのままタクシーに乗って帰りたい…と思った。なんとか髪をブローして身支度をし、電車に乗って家まで帰り着いた。そのまま服も着替えずバタンと眠ってしまった。夜中にのろのろと起き上がると午前二時を回っていた。AVボードの上にピアスが二つ、並んで置かれていた。

20180726

昨日の夜、久しぶりにまっすぐ家に帰って来た。豚肉と野菜の炒め物、冷やしトマト、ざるそば。食事を終えて後片付けをして、シャワーを浴びると九時半。今日は家事がないので嬉しい。ゴロリと横になって、SNSのニュースを眺めていた。桐谷美玲が三浦翔平と結婚した。今どうしてもしたかったんだな、と思った。はあちゅうとしみけんの結婚で爆笑問題が野次り、それに対してはあちゅうが爆弾発言、というニュースはツイッターでもバズっていた。偏見に次ぐ偏見…。人は、どんなに気をつけてフラットな目で物事を見ようとしても、どこかしらのジャンルで偏見が出る。大事なのは、自分の偏見についてよく知っておくことだと誰かがいっていた。知っていれば、最小限にセーブできる。しみけんのことはよく知らなかった。バラエティによく出ているのだろうか。noteのブログを読んでみると、さすが一万人と寝た男、分析がなかなか面白いなと思った。百人と一回ずつセックスをした女の子と、ひとりの相手と百回した女の子なら、後者の方が艶めかしい、とあった。確かにそうだろうな…と思った。それから朝ドラの録画を少し観た。鈴愛ちゃん漫画家編の方が面白かったけど、今の感じにも慣れてきた。りょうちゃんはボンクラだけど料理は上手い。寝る前にひんやりしたエレクトロニックを聴いた。

20180725

昨日の夜、仕事の後にヨガ、お風呂。満月に近づいているけれど、今週はデトックス週間としていた。お風呂上がり、鏡の前で髪を乾かしながら全く疲れていないことに気づいた。八時間睡眠の疲労回復っぷりはすごい。家に帰り、肌荒れの部分にプロトピック軟膏を塗った。一年半ぶりなのでドキドキした。最近あせもっぽかったし、スッキリと治るまでお世話になろう。二十歳そこそこの頃は自然治癒信仰が強く、軟膏に頼るのが嫌だった。なかなか治らない日々を我慢して過ごしたものだ。でも最近はさっくり薬を使う。悪化する前に手を打ったほうがいいし、キレイでいて心身ともに健やかなほうがいい。それにデトックスが終わればいずれ治る。キッチンで温野菜とワカメのサラダを作り、木綿豆腐を切って豚肉を茹でた。食事をしながらドラマ、義母と娘のブルースを観た。今回も良かった。綾瀬はるかがキリッとしていてサイコーだ。佐藤健は天使みたい。横切るたびに奇跡が起こる。最後から二番の恋、の坂口憲二を思い出した。彼も天使だった。ぜひ私のところにも来て欲しかった。でも天使業は良し悪しなんだよな。ボランティアといえば聞こえがいいけど、相手の心を深く満たしてしまうのは。この前友達から、最近恋は?とメッセージが来た。いま恋待ち、と返すと、恋待ちの響きがいい~と彼女はもだえた。ただ誰もいないだけだから…と私は笑った。最近、この人いいなーと思うことはたまにあるけれど、ふわふわと淡いままだ。誰か早めに杭を打ってくれないかしらねー、と人任せな気持ち。洗濯物を干し終えたら遅くなってしまった。コアタイム終了まであと二時間。もう少し早めに眠りたかったなぁ。十二時前にベッドへ入った。

20180724

昨日の夜、仕事明けにヨガ。お風呂に浸かっていると、皮膚の裏側がイリイリとかゆく、裏返して水洗いしたいような気持ちになった。温まり過ぎたのかもしれない。水風呂に入って火照りを収め、またお湯に入って調整した。今朝起きたら、久しぶりにじんましんが出ていた。週末の不規則な睡眠と適当な食事と飲酒で、体の方から強制終了がかかった気がした。また中庸に戻さなくてはならない。今週は極陰性のもの、コーヒー、お菓子、醸造酒、砂糖を禁止とした。お酒は麦芽百パーセントのビールだけ。もっと早いうちに手を打てばいいのにといつも思う。夏だから調子に乗っていたのだ。ヨガスタジオを出るとき、受付で落し物のピアスが戻ってきた。一粒だけ。手のひらに乗せてしばらく眺めて、ポーチの中のアクセサリー入れにしまった。これを失くした時、そろそろ新しいピアスが欲しいなぁ、と思っていたのだ。いつもそういうタイミングで物を失くす。雑に扱ってごめんね、心の中でピアスに謝った。できるだけ、身の回りの物を丁寧に扱いたいと思ってはいるのだ。家に帰って、何もしないでそのまま十時にベッドに入った。すう、と眠りが落ちてきた。十時から二時のコアタイムに熟睡する、それも今週のミッションの一つだ。

20180721

昨日、自分の中で海の日と定めた。午前中にスタバで友達とお茶を飲んで、彼女を駅まで送ると、病院の診察までちょうど三時間あった。海へ行こうと思いついた。快速に乗ると二十分で一番近い海に着いた。駅に降り立つと昼下がりで、最寄りのコンビニに寄って焼きそばと燻製フランクフルト、煮卵を買った。ビールはやめて炭酸水にした。日差しが強かった。帽子を目深に被って海まで歩いた。サンダルを脱いでリュックに詰め、裸足で堤防によじ登った。ぐいっと腕に力を入れた。懸垂みたいな動きはいつぶりだろう。海は大雨の影響なのか波打際が少し濁っていた。でも空が晴れていたので遠く向こう側はくっきりとしたブルーだった。日差しで首筋がちりちりと暑かった。堤防に座って炭酸水をぐびぐひと飲んだ。少し、ぬるい。おなかすいたー。買ってきたものを袋から出した。今年初めての海ランチだ。風ではためかないように、片手で蓋を押さえながら焼きそばを食べた。そうか、海には潮風があるんだなと思い出した。私が生まれたのは海沿いの街だ。でも赤ちゃんの頃なので記憶はなく、あとはずっと森のそばで暮らした。海は懐かしい場所ではないけれど、帰ってきた感じがする。潮風に吹かれて波音を聴いているとそう思った。フランクフルトをかじり、煮卵を食べた。それから穂村弘東直子の短歌集を読んだ。カマンベール・チーズしずかにとけてゆく脈打つ肌を布に包んで。食べていいよ、と男が言う。何を?と女が尋ねる。食べていいよ。本を置いてまた海を眺めた。空には薄く雲がかかりはじめていた。チーズが溶けるのを横目で見ていたいと思った。横目で見て、あとで、と瞼を閉じたい。