沢渡日記

日々徒然

20180615

昨日の夜、スタバで確定拠出年金の再検討をしていた。商品の配分を変更して、預け替えの判断は保留にした。金額調整は明日の宿題。バタバタとヨガへ向かった。レッスンの初めに、今日は新月なので願い事を。沢山あるうちのひとつだけ選んでください。先生がいった。心の中で三回唱えます。目を閉じて静かに祈った。自分らしく無理せず誰かと一緒にいられますように。ポーズに入りながら、今まで自分らしくいられたことなんてあっただろうかと思った。私は自分の素がわからない。それはたった一人でいるときにしか出てこない。だから自分では見たことがない。そういう気がした。先月のお祈りを思い出して、叶ったなと思った。まあ確かに。家に帰って朝ドラを観た。律くんからもらった大事な笛を秋風先生が遠くに投げ捨てた。鈴愛ちゃんは泣きながら怒鳴った。私は漫画家である前に人間だ、創作のためにわざと自分の感情を追い込んだりしない。それを聞く秋風先生の表情がよかった。どっちの気持ちもわかると思った。主観と客観。楽しい時より悲しい時の方が百倍描ける。それは星の数ほどあるラブソングを聴いていても明らかだ。今日はたくさん眠ろう。電気を消して十一時にベッドへ入った。また引越しの夢を見るかもしれない。

20180613

昨日の夜、ヨガの後、最寄駅を出ると雨が降っていた。スーパーに寄って焼肉屋の冷凍ホルモンともやしとプリンを買った。キッチンでホルモンを焼き、野菜を焼いた。合間にミニトマトをかじった。食後、バッグの中から事務手続きの書類を出し、お財布の中を整理した。保険の申込み、証券口座の調べごと、化粧品配送の変更、トリートメントの購入。今日は予定していた用事をちゃんとこなした一日だった。前に一度お酒を飲んだことのある人とメッセージのやりとりをした。美味しい珈琲のお店を聞かれたのでいくつか答えた。特に誘われることもなかった。なーんだ。プリンを食べながら朝ドラの録画を観た。鈴愛ちゃんと律くんは別れてしまった。秋風先生、他人の失恋エピソードにテンション上がりすぎ。まあ仕方ない、創作の人だからね。描くんだ、それがお前の傷を癒す、っていうのは確かにわかる。鈴愛ちゃんにはマンガがあるよ。大丈夫だ。寝転がったまま右手を持ち上げて手相を確かめた。やはり来年からの仕事線が薄くなったままだ。一人きりなのにこの先どうするんだろうなぁと思った。日々一生懸命やってるけれど、オレがオレがみたい感じは全く無くなった。ウチには…さんが居てくれてよかったねー、と周りに思われるような仕事ぶりを目指して精進している。企業に属し、有能な男性陣に囲まれた環境下で自分の役割を俯瞰すると、まあそれが妥当だろうと結論づけた。仕事というのは一番そこで必要とされるようになればいいのだ。余計なアピールはいらないし。周りには穏やかに、自分には厳しく、丁寧で正直に、淡々と…そんなことを考えていたら眠くて仕方なくなり、十時半にベッドに入った。

20180612

昨日の夜、ヨガ、お風呂の後に帰宅、掃除、洗濯、料理…月曜は家事にはまりやすい。気づくと十一時を回っていた。土日に好きにしすぎるからだ。そのときは思いつかなかったの、というのがいつもの反論。ようやく一息ついて、スカルプマッサージをしながら朝ドラの録画を見た。律を返して!と叫んだ鈴愛ちゃんに、サヤちゃん般若の形相。まあそうだろうな。恋人の幼馴染にそんなこといわれたらね。にしても最近のサヤちゃんはコワイ。律に自分の知らない時間があるのがイヤなの、とか。そんなこと言い出したらキリないよなぁ…。懸想は病だ。変な自分たくさん出てくるし。大事にしたい人とは友達では足りなくて、でも恋人になったら節度のある大人の自分ではいられなくなって…何なんだろうなと思う。結局甘えているだけなのかもしれない。全体のマッサージを終えてから、頭皮と頭蓋骨をずらすように指先を動かした。これは頭皮を柔らかくするための動きだ。だいぶ血行がよくなって頭がスッキリしてきた。始めてから二週間、こめかみ辺りの強張りはだいぶ取れてきた気がする。

20180611

昨日の午後、映画、万引き家族を観た。終始、溢れそう、と思っていた。言葉が、でもなく、涙が、でもなく。人間の日々の営みは澄んでいて美しくて歪んでいて濁っている。その全部を見ていた。めちゃくちゃな環境設定の中にも愛は宿る。音楽も聴こえて来ず、涙も出なかった。そういう余裕はなかった。スクリーンを観ながら、自分を隔離したのは一人きりになりたかったんだなと気づいた。一人きりで、今までの時間を悼んで、ゆっくり忘れたかった。映画の後、一緒に観た人と食事をしたりお茶を飲んだりした。なんとなく透明な気持ちであまり喋らなかった。向かいでケーキを食べている姿を眺めてアイスコーヒーを飲んだ。四角くカットされた苺のショートケーキ。映画音楽、素晴らしいなと思っていたら細野晴臣でしたね。彼女にいわれて私は曖昧に頷いた。まともにエンドクレジットも見ていなかった。あの物語を言葉にするのには時間がかかると思った。ずっと後になるまで。誰かと映画を観るのは久しぶりだった。五年ぶりか、それ以上かもしれない。

20180610

昨日の午後、鍼灸院へ行った。治療の後、痩せすぎです、と注意された。ちゃんと栄養になるものをたくさん食べてください。ハイ…と小さく返事をした。診察の時に疲れてます、いう言葉が出てくるのは良い状態じゃないですよ。先生はいった。生活スタイルを変えるか、体を強くするしかないです。その通りだなと思った。軌道修正が必要だ。外に出ると、少し風が冷たいけれど天気は良かった。音楽を聴きながら二駅ほど歩いて喫茶店へ行った。アイスティーを飲んで、シフォンケーキとアイスクリームを食べた。店主がリンゴの皮をくるくると剥いていた。食べたい…といったら一切れくれた。美味しかった。恵み、と店主はニコッとした。夕方、ヘアサロンに電話すると、明日は予約がいっぱいで入れなかった。髪、切りたかったのにな。予定が空っぽになってしまった。この前会った女の人のことを思い出して連絡してみると、映画の誘いがあった。その後、ヨガでたっぷり汗を流してお風呂に浸かった。家に帰り、たっぷりの野菜炒めと、ワカメと海苔を乗せた醤油ラーメンを作った。友達から今度ビリヤニの店に行こうと誘いがあった。皆、声をかけてくれてありがたいなと思った。食後、あなたには帰る家がある、の録画を観た。ユースケはどんどんよくなっていった。この人は本当に上手い。真弓の誕生日、茄子田と二人でディナーをするシーンがあった。お前は言葉がキツイ、上からだよな、でも嘘はない。茄子田が真弓にいった。ぐっと胸につまされた。もちろん嘘がなければいいわけじゃない。ごめんね…とまた思った。バースデーケーキが運ばれてきて、茄子田が大声でハッピーバースデーを歌う姿が最高だった。

20180609

昨日の午後、スタバで待ち合わせて女友達に会った。おっさんずラブよかったよね、という話の中で、アンジャッシュ児島はイイという話になった。彼の魅力はアンバランスなところだ。不器用で少し破綻しているけれど、人間味があって可愛い。渡部に対しては二人とも無だった。ああいう器用でソツのない人が好みならよかったのにね。チョコチャンクスコーンは失恋につける薬だ。コーヒーを飲みながら黙々と食べた。ダイスチョコのカットが前より大きくなった気がした。彼と終わったよ、と私はいった。本当に終わったの?と彼女に聞かれて、終わりだよ、と繰り返した。…ちゃんは私の律くんだから!というと彼女はキョトンとした。昨日の朝ドラをまだ観ていないようだった。でもなんか嬉しい、彼女は私の手をギュッと握った。これからクリニックへ行くという彼女と別れて、カレー屋へいった。エビフライカレーランチ。ご飯を少し残してしまった。通り道にあった無印良品でストライプのシャツワンピースを一枚買い、雑貨屋で桃柄の手ぬぐいを買った。女友達と餃子を食べに行く約束をした。最寄駅を出ると雨が降っていた。家に着いて、床にごろりと仰向けになってRainを繰り返し聴いた。君は雨に煙る空いた駅を少し走った…槇原敬之のカバーがよかった。秦基博の弾き語りは少し抒情的すぎた。雨に濡れた菖蒲の花の写真をずっと見ていた。

20180608

昨日の夜、カレー屋に行った。さっき知り合いと投資信託の話をしていたら、八資産均等型のインデックスファンドがいいよ、と聞いて少し調べた。国内外の株式、債権、REIT新興国の債権も持てるのか。カレーはピリリと辛く、具沢山で、目玉焼きがのっていた。食事をしながら、ふと当たり前のことに気づいた。資産管理とはすべてのトータルだ。運用益、手数料、減税対策、家計の中の節約、それらに関わる日々の工数。おなかいっぱい、とスプーンを置くと、お皿にご飯が半分残った。食欲は相変わらずなかった。でも意識して食べないとまた痩せてしまう。去年の今頃より五キロ減は尋常ではない。ちゃんと暮らして健康を保つ、それも資産管理の一つだ。医療保険を解約しようかと思いついた。店を出て、公園のベンチでセブンカフェのコーヒーを飲んだ。その後、ヨガのレッスンを二本受けてたっぷりと汗をかいた。のんびりお風呂に浸かっていたら閉館ギリギリになった。帰り道、夜風に当たりながら駅まで歩いた。皆、自分の見たいように世界を見ている、ふとそう思った。私はずっと、自分のことも周りのこともちゃんと見ていなかった。補正された世界の中にいた。白くてつるりとして、濁ったものがない世界。この前、私は大事な人にひどいことをいった。もちろん取り返しはつかない。夜空を見上げると、ぬるい風が微かに髪を揺らした。ヒールの音がコツコツと響いた。補正なしで世界が見たいと思った。多少傷を負っても。最近、色んなものが見え過ぎて目眩がする。