沢渡日記

日々徒然

20190326

昨日の夜、残業。体調が優れず、帰りがけドラッグストアへ寄って葛根湯のドリンクを買う。家に帰ってキッチンで大蒜と長ネギを刻んで薬味たっぷりの焼うどんを作る。茅乃舎の和風だしで味付け。豚肉を気持ち多めに焼く。今週は仕事がハードなのでタンパク質を多めに摂取することとする。葛根湯を飲む前にネットで小青竜湯との飲み合わせを確かめると、似た成分が入っているのでNGとのこと。花粉による鼻炎などを考えて小青竜湯を飲む。食後にロキソニンを飲む。Eテレきょうの料理をぼんやり観ながら、自分は自分に嘘をつくのをやめたんだなと気づいた。今の仕事をソツなくこなすことはできたし、男の前で天女みたいに優しくすることはできた。ただ継続するには自分に嘘をつく必要があった。嘘で築き上げた平和の城、スカスカの心で微笑む整えられた自分。嘘を手放した今、自分は荒野の中にポツンと一人きりで、先のことは全くわからない。でも心の奥から新芽が沢山出てくる感じがある。生命力に溢れた勢いのある自分を久しぶりに思い出す。

20190325

昨日の午後、初めてのスタバへ行った。ローカルなエリアなので地域の人が多いようだった。ドライブスルーがあるのでキッチンが広く、スタッフは少ない人数で慌ただしく立ち働いていた。ゆったりと店内が見渡せるソファー席で、チャイティーラテを飲みながら岡潔の春宵十話を読んだ。旅感、と思った。最近自由な時間がなさすぎて、平日はゆっくり本を読める時間が全く取れない。時間が来たので店を出てヨガへ行った。心と体を整える日曜日。お風呂に浸かりながら、昨日の夜に会った人のことを思い出した。その人に会うのは久しぶりだった。私はにこやかに感謝を伝えて、少し手を握り合った。彼は未明の目をして私をじっと見つめた。少し見開いて透明で、何かを深く湛えるような目。ああいう目をよく知っていた。あの人は心がおそろしいほど澄んでいる。だから響き合ってしまったんだなと思った。色がついたわけじゃなくて、お互いに透明なままで。

20190324

昨日の夜、偶然の再会があった。それは別の土地で一晩、一緒に踊った人だった。ラウンジのソファーで話している姿を見て、もしかして…と思いながらそっと声をかけると、相手は驚いて立ち上がり私を抱きしめた。こんなことってあるの?嬉しい…と彼女は耳元で呟いた。彼女の連れの男性も私を覚えていてくれて、挨拶をして一緒に踊った。信じられない、妖精に会えたみたいよ。彼女は笑顔でそういった。私もニコニコしてくるりとターンした。今日は朝から夜の十一時まで予定がぎっしりで、真夜中に出掛けるのは体力的に厳しいな…と思っていた。でもめずらしく声をかけてくれた人がいたので来てみたら、私を見つけた彼はとても喜んでくれた。さらにこんな奇跡みたいな偶然もあった。フロアの後ろに下がって小さく揺れながら、彼女が自由に踊る姿を眺めた。奇跡の偶然の種、と思った。それは私の手の中にいつの間にかあった。不思議なことだ。種は以前より大きくなっているし、咲く花が大輪になってきている。

20190323

昨日の夜、残業。最後のヨガのクラスに滑り込み、ヨガマットの上で突っ伏した。今週も疲れたー。レッスン始めますね。ヨガの先生はきゅっと細く締まってスタイルがいい。お喋りが苦手なのに一生懸命楽しく話そうとするところも可愛い。深呼吸してゆったりと体を動かすと、中盤辺りからようやくマトモな気持ちが戻ってきた。ゆっくりお風呂に浸かってからスタジオを出た。終電までの時間を考えると、どこかに寄るには中途半端だった。電車に乗り、最寄駅近くのコンビニで冷凍ちゃんぽんとビタミンレモンを買った。家に帰ってテレビをつけて、食事をしながらぼんやり考え事をした。恋愛はゼロサムゲームなんだよな、とつくづく思った。楽しいことも楽しくないことも両方ある。両方あって関係が終わる。文句言うな。甘えんな。自分のしたことの責任を取るだけだろうが。立ち上がって食器を片付けながら、はぁー厳しいなぁ今夜のオレも…と思う。自分の中にひとりめちゃくちゃ厳しく辛辣な人がいるのだ。そしていつも正しいことを言う。寝支度を済ませてから冷蔵庫からR1ヨーグルトを出し、ゴロゴロしながらネットで漫画を読んだ。よい金曜の夜だ。

20190322

昨日の夜、ネイルのメンテナンスに行った。声の枯れたネイリストさんは二、三日前、風邪を引いて三十八度の熱を出したらしい。お休み取れてますか?私が聞くと、んー次は来週の木曜ですね!彼女が爽やかに答えた。十分に稼いでるんだし、週に一日も休まず働いちゃダメですよ。働いてたほうが楽なんですよねぇ…。いつものやりとり。彼女にとって好きな仕事だからだろうなと思った。腕のいい人だから、顧客の身としては倒れずに長く仕事をしてほしい。お喋りに興じていたらあっという間に三時間が経過し、キレイな桜色の爪が出来上がっていた。モテる魔法入れておいてください。最後にオイルでマッサージしてもらう時、私はお願いした。彼女は私の手を取って丸く包んだ。本当に好きになれる人に出会えますように。そう言ってニッコリした。その通りだなと思った。ハイ!私は元気よく返事をした。

20190321

昨日の夜、残業。仕事明けにヨレヨレでご飯を食べに行った。食後、一人でぼんやりしながらカウンターの向こう側の人たちを眺めた。ちょっと色っぽい女の子が座っていてこちらを意識していた。私が見るともなく見ると彼女は目をそらした。…ちゃんは魔性だよね、スタッフが彼女にそう言って、肯定とも取れるような返事を彼女はした。グラスの水を一口飲んで、魔性の取り扱いには気をつけて、と思った。魔性は独立した力だ。使っているつもりの本人も丸ごと凌駕してしまう。私が知っている真の魔性の女性は取り扱いに優れ、力のコントロールが絶妙で惚れ惚れしてしまう。もちろんその技術をお金にも替えている。店を出てカフェに行った。ソファーにゆったり座り、コーヒーを飲みながら仕事のことを考えた。今の仕事を辞めることで、ライフスタイルごと変わるような強い転機にしたいと思った。これでまた、転職先で何も考えられないほどあくせく働くなら意味がない気がする。松浦弥太郎氏の本をパラパラとめくった。人との関係性をやめない、壊さない。続けることです。そう書かれていた。また私は男と別れてしまったなと思った。

20190320

昨日の夜、残業。仕事明けにヨガへ行った。経絡系のレッスンで、ポーズの流れに陰陽のバランスが組み込まれている。序盤からどんどん汗を出てきた。お風呂にゆっくり浸かってから家に帰り、はじこい最終回の録画を観た。屋上のシーンで雅志くんが順子ちゃんに振られた。雅志くんはちょっと泣きながら、順のそばで二十年も笑ったり怒ったりできた、幸せだったよと言った。順子ちゃんはゴメン、と言って泣いた。二人とも泣き笑いで良いシーンだった。ユリくんは念願叶って東大生になった。塾の講師室で、順子ちゃんはユリくんに好きだと言って、でも付き合えないと泣きながら振った。見ていてたまらなかった。若いからって傷つかないわけじゃないよ…ユリくんが言った台詞がズッシリ来た。ユリくんは高校生の頃に大人の順子ちゃんを好きになって、自分が子供であることにずっと傷ついてきたのだ。最終的に議員秘書スーツ姿の山下くんが二人のキューピッドとなったわけだけど、彼こそが男前だよね。きっちり身を引いて相手の幸せを願って。ハッピーエンドに満足してエンドロールを見つめた。好きな人って、いつのまにか好きになっているものだ。例えばユリくんみたいに、順子ちゃんみたいに。男のことをぼんやり考えた。私は幸せになりたかったんだなと思った。