20180414

昨日の午後、喫茶店のカウンターでコーヒーを飲んでいた。お客さんが引けると店主の手相を観せてもらって遊んだ。この前自分が観てもらって面白かったので、色々調べたのだ。扉が開く音がして、知り合いの女の人が入って来た。先日はお土産ありがとうございます、と彼女が会釈して、私も手作りのお菓子をいただいたお礼を伝えた。春を感じる上品で美味しいお餅だった。…のセットと紅茶で。メニューを見てオーダーした彼女は、一つ空けた隣の席に座った。ベージュのジャケットを羽織り、くっきりとした色の口紅を引いていた。コーヒーだっけ、店主が聞き返して二人で笑った。彼女とは以前から何度か会っていたけれど、あまり話したことがなかった。ゆるい世間話から何気なく始めて、しばらくすると彼女は最新医療の話をした。線虫がガンの匂いを嗅ぎ分ける、という内容だった。例えば健康診断の中で、自分の身体にガンがないかを尿検査でサッと調べられるようになるかもしれない。しかもその線虫の費用は安いみたいなんです。私はグラスの水を一口飲んで、それはすごくいいことだと思うな…といった。疑いあり要再検査。その通知で冷たい汗をかいた経験を思い出した。もちろん自分のガンを知りたくない人もいると思いますけどね…でも、選択肢があるのはいい。自分のことを自分で決められる手段として。彼女は静かなトーンでいって、紅茶を飲んだ。言葉が水のように染み込んできて、私は彼女の顔を少し見た。悔いのないように生きるのが一番です。彼女はそういってニッコリした。それから店主と三人で賑やかな話に戻った。ゴールデンウィークのイベントに誘われたけれど、私だけ都合が合わなかった。そっかー。二人とも残念がってくれた。喘息で咳が止まらなくなってきて、もう行くね、と私は席を立った。店を出ると風が冷たかった。マスクをして駅に向かって歩き出しながら、温かい人だったなと思った。キリッとしているのに、目の奥は深くて優しかった。生きるということに愛があるんだな…。今までの自分はセンサーが鈍くて、ああいう人の素晴らしさになかなか気づけなかった。また良い機会に恵まれました。長いストールを右手で持ち上げて、駅の階段を降りた。