沢渡日記

日々徒然

20190620

昨日の夜、思いがけず盛大な送別会を開いてもらった。綺麗なお花や贈り物を沢山いただき、長い付き合いの仕事仲間たちと賑やかな時間を過ごした。乾杯してから食事をしたり全員で話をして、酔いも回って次第に小さなグループに別れて話し始めていた。何で仕事を辞めようと思ったの?隣に座っていた同僚に聞かれた。私は黒霧島のグラスに口をつけて、少し考えてから答えた。今とは全く別の人生を生きてみたい、そう思うことってない?私が聞くと、あるよ、と何人か呟いた。でもさ、それを実際にできる人はすごいよ、と向かいの同僚が言った。すごいんじゃなくてただやっただけだよ、私は静かに答えた。本当にその通りだった。以前、お店を経営している友達にサラリーマンの男子がカフェをやりたいと相談しているシーンを思い出した。やってみればいいんじゃない?さらっと彼女は答えた。それ以上もそれ以下でもなかった。当時は、それができれば人は悩まないよね…と側で聞いていたけれど、今ならわかる。皆で写真撮影をしてから、店を出て二次会へ向かった。風のない夜だった。信号待ちで先発隊と逸れて、どこだっけ?といいながらも皆あまり真剣に探していない。平和な夜だと思った。馴染んだ街と、馴染んだ声。さすかにこの道行きすぎてません?一人が言って、皆で引き返すと、信号の向こうで同僚が手を振っていた。