沢渡日記

日々徒然

20190118

起きると午後二時だった。覚めたくない夢を見た。声が出ないので長い間うがいをして、納豆そばと人参のサラダを作った。食事の後、ロキソニンとカルボシステインを飲んだ。お湯を沸かし、コーヒーを淹れてカステラを切った。林檎を薄くカットした。テーブルに運び、ガーベラを生け直してお茶の時間にした。ピアノの旋律を小さく流して、夕陽がビルの谷間にゆっくりと沈んでいくのを見ていた。夢の中で、あの人は私の気持ちに気付いていた。背伸びしてカーテンレールの引っ掛かりを直し終えた私に、そうだと思ってた、と彼は言った。冷めかけたコーヒーを一口飲んだ。デカフェは味にパンチがなくて、少し物足りない。コーヒー味のお湯、と友達が言ったのを思い出す。夕陽がさっと光を増して、顔を上げた。これまでずっと、夕陽がそれほど好きではなかった。でも、今日は美しいと思う。頼りないこの世を包み込む、終わりを含んだ温かな光。カーテンレールを直すのに、実は少しだけ時間をかけた。彼が私の背中を支えることが自然であるように。夢の中でも、私は彼にはっきりと言葉で伝えなかった。どうしても失いたくない人には、言えないんだなと思った。オレンジの光がビルの際から消えてしまうまで、ずっと眺めていた。