沢渡日記

日々徒然

20180404

昨日の夜、女友達と焼鳥屋に行った。ビールで乾杯して、テーブルに串をいっぱい並べた。鳥串、豚串、つくね、舞茸、もちベーコン。バラすよ?彼女は串からお肉を外してお皿に並べてくれた。ざわざわとした店内、煌々と明るい照明、威勢のいい店員の声。焼鳥屋はいいなと思った。さっき恋人と大ゲンカしてさ、ひどいこといっちゃった。私は話した。どうしたのー、と彼女は豚串を持ったまま聞いた。うん…。私は曖昧に返事をした。彼は空いた時間すべてを仕事で埋めてしまう人で、それがいつもケンカの火種だった。なんていったの?彼女が聞いた。別の人と幸せになるわって。私は答えて、ふう、とため息をついた。そっか…。彼女は頷いた。酷いことをいえば彼は私を嫌いになるだろうと思った。この人は違うのかもしれない。そばにいる人を日々大事にできない人とは一緒にいられない…。そう気づいた時、ひどく悲しかった。何とかもみ消して笑おうとしたけれど、その度に心が塞いだ。…さん、もう十分がんばったよ。彼女が静かにいって、うん…と私は頷いた。冷めてしまった梅つくねを齧って、ビールの残りを飲んだ。店員を呼んで、温かい烏龍茶とお新香を頼んだ。それから彼女の話を聞いた。仄暗い袋小路のような話だった。聞いていて息苦しくなった。自己評価が低いからさ、結局いつもそこから来てるんだよね。彼女は呟いた。そっか…私が男ならそこを治してあげられるかもしれないのに。そういうと、彼女は小さく笑った。どう思う?と聞かれて、烏龍茶を飲んで少し考えた。そこから出た方がいい、と私はいった。人のことは客観的に見れるんだよな、と思いながら。ねぇ、来年私たちは何してるかなぁ?彼女がいった。もうその問いはイヤだー!安定したい、安定したい…。私は念仏のように唱えた。私たちはいつもふわふわと浮遊して、毎年別の恋をしていた。でもそういうのはもういい。私は着陸するよ。あーいっぱいしゃべると喉が乾くね。もう一杯飲もっか。私たちはメニューを広げて眺めた。