沢渡日記

日々徒然

20200328

冬に、初めて会ったときの印象がよかったのかもしれない。隣で話しているときの空気がよかった。その人といると私は気合わなくて良くて、素直で補正なしの笑顔が出てくるな、と思った。この前、久しぶりに彼に会った。前よりも髪が伸びていて、いつものくしゃっとした笑顔を見せた。彼は私を素材として眺めた。顔立ちから骨格、雰囲気までを把握して、様々な色や布を合わせていった。今まで、被写体や絵のモデルをしたことがあるが、その時と同じ気持ちになった。私は自分が例えば調度品のように、ただモノとしてじっと見られるのが好きなのだった。キャップは2、3回被ったらすぐ洗濯機に入れて洗っちゃう、と彼は言った。なぜかそれが印象的だった。彼と手を振って別れて、楽しかったと思った。それから、その気持ちをフラットに均した。必要以上に誰かに好意を持ちたくない。十分に距離を置いて、爽やかに仲のいいままでありたい。