沢渡日記

日々徒然

20180918

昨日の午後、久しぶりに食欲が出たので食事へ行った。丁寧に作られたあんかけ焼きそばを食べて、食後にわらび餅みつ豆と緑茶で和んだ。ゆったりしたサロンのような店内は年配客が多く、静かなざわめきの中、私は影絵のようにひっそりと時間を過ごした。店を出て、川を渡って喫茶店に行った。コーヒーを飲みながら、雑誌penの宿特集をめくった。都内のスタイリッシュなカプセルホテルが紹介された頁があり、ひとつひとつをじっくり眺めた。夜遊びの折りに一度泊まってみたい。カウンターの通路で、店員の女の子が後ろ出に髪を結い直していた。隣の席では大学生のカップルがお祭りの話をしていた。昨日の夕方、以前の恋人にばったり会った。もう二度と会うことのないはずの人だった。少しだけ言葉を交わして別れた。背の高い彼を見上げる角度を懐かしく思った。店を出て電車に乗り、公園に行った。桂の樹の下のベンチに座ってぼんやりと考え事をした。木陰の隙間からさわさわと柔らかい風が吹き、永遠に留まっていたいような気持ちになった。例えば白骨になるまで。そして土に埋もれた私の骨の隙間から、新芽が出るといい。早く樹になりたいと思った。そうすればもう、恋人と泣きながら別れたりしなくていい。