沢渡日記

日々徒然

20210829

仕事はまあまあ忙しかった。仕込みの途中、シェフとコロナのワクチンを打つか打たないか、という話になった。自分はインフルエンザのワクチンも打ったことがなく、できれば体に異物を入れたくない派だ。ただ、既往症、家族のことなどを考えると迷って、気は進まないけれど一応予約を入れた。もう少し考えたい。開店後は、緩く途切れなくお客さんが来た。早い時間に友達がテイクアウトしてくれて、久しぶりに顔が見れて嬉しかった。睡眠不足なので、アイスコーヒーをちびちび飲みながら接客を行う。思考はブルーを通り越してブラックだった。こういう日は仕方ない。賄いは柳川丼だった。仕事の最終日なので、皆にロータスのビスケットを、調理スタッフ君にニコレスのメンソールを渡す。もしヘルプで必要なら呼んでくださいね、とシェフに話した。またお願いしまーす、といつもの挨拶をして店を出た。また来週も来るみたいに、サラッと別れたかったのだ。一駅先まで歩いて神社に寄った。緑の参道を歩いて、境内に入って長いお参りをした。敷地内の森を歩いていると、だんだん気持ちが柔らかくスッキリしてきた。大きな樹の下のベンチに座って目薬をさした。さわさわと風の音が気持ちいい。イヤフォンをつけて、藤井風のShake It Offを繰り返し聴く。心がふいに緩く解けた。私は風の人に、必要だと言われたかった。あなたがいなくなっては困ると。涙が出てきてティッシュで目尻を押さえた。今泣いたら目薬が流れてしまう。涙がこぼれないように上を向いた。緑の葉の形を見て、この樹は楓だったのかと気づいた。綺麗だ。でも、私があの人を必要だったのかはわからない。今でも。