沢渡日記

日々徒然

20180917

昨日の夕方、お祭りへ行った。会場は大盛況だった。混雑した通路をかき分けるように一周してから、バーカウンターでアサヒドライブラックを頼んだ。立ち飲みスペースで中ジョッキを傾けながら、おつまみを買えばよかったかなと思った。食欲はまるでなかった。周りを眺めるとカップルばかりで、皆くつろいだ顔でお酒や料理を楽しんでいた。ビールを半分まで飲んで、ふいに涙が出た。悲しくないのかと尋ねた時、恋人は仕方ないと思う、と答えた。感情を聞いているのよ、私が静かにいうと、彼は黙った。理性で統制しすぎて、感情がうまく作動しないのだろうと思った。向かいのカップルが入れ替わり、ツブ焼きをつまみにビールを飲み始めた。隣の女性は人待ち顔で白ワインを飲んでいた。昨日の夜、彼とサンドウィッチを食べた。噴水の階段に座ると夜空が広く見えた。場は賑やかなざわめきに満ちていて、私たちのしている話が嘘のように思えた。ビールを飲み終えて会場を出た。ひと気のない道を選んで、昨日の公園までゆっくり歩いた。涙はまだ止まらなかった。悲しいときは悲しめばいいのだと思った。いつかまた心が健やかに芽吹くために。彼もそうであるといい。園内に入るとすっかり日は暮れていた。低い生垣に咲く白い薔薇がきれいで、ぼんやりと見つめた。