20210504

夜。夜の波に呑まれても、お酒は呑まない。お酒は全部が朧げになって、享楽的になりすぎる。いつも、痺れるくらい頭はクリアなままが良い。天使にばったり会った。隣の椅子がぽっかり空いていたので、宜しいですか？と声をかけた。レッドブルウォッカを勧められて、少しだけ飲んだ。今日はスクリュードライバーじゃないんだなと思った。共通の話題は特にないので、当たり障りのない話をした。普段は何して遊んでるの？と聞いたら、バーベキュー、と返ってきた。彼はいつもより緊張しているようだった。まだ素面なのかもしれない。最近立て続けに会っているけれど、やっぱり自分の感情はクリアな「？」のままだ。ただ、細胞が彼と話すことを喜んでいるのはわかった。この生き物のそばにいたいと感じる人だ。まだ判断できるほどの材料は揃っていないので、経過を見ていくこととする。そして、このままの距離でも大いに良い。彼が煙草を吸い終わるタイミングを数えて、そろそろ行こうかな、と呟いた。オレも、と彼も立ち上がった。