沢渡日記

日々徒然

20181209

昨日の夜、イベントへ行った。初めて聴くDJだった。硬質でどこまでも冷徹な音の連なりに、何度も幸福なため息がこぼれた。踊っても踊っても好きな流れは止まなかった。これはキリがないと思った。明け方、ラウンジで話してみたかった人と話す機会があった。飄々としていて、こちらにあまり興味がなさそうなところがよかった。少し音楽の話をした。特に仲良くなる気がないので気楽だった。そういうのは自分で決められることじゃない。もちろん相手にも。ラウンジは深く酔った人たちばかりで場がだらりとしていた。素面なのは私だけかもしれない。ビールくらいでは全く酔わないなと思った。クラブではひんやりした目をしているのが好きだ。

20181208

昨日の午後、友達に会った。朝ごはんを食べたきりだったのでココアを頼んだ。彼女は品のいい白いリュックを持っていた。そういえば前からほしいといっていたのを思い出した。ソファーに向かい合って座り、お喋りに興じた。お気に入りの長年履いてた靴どうした?と私が尋ねると、処分したよ…と彼女は答えた。愛着がありすぎて手放すに手放せなかったのを聞いていた。でもね、間もなくよく似た靴を見つけて買ったの!と彼女はニコニコした。まずスペースを空けたから新しい靴が入ってきたんだね。私は答えた。順番はそれが正しい、と二人で頷きあった。私もスペース作ったよ、と恋人だった人の話をした。もう忘れたいから他人になることにした、まっさらな気持ちで別の人を好きになりたいし。私が言うと、そっちの方が自然だと思うよ、と彼女は答えた。やっぱり普通に戻るのは無理だよ、好きだった人はさ。ココアは生クリームが乗っていて甘く、美味しかった。クリスマスソングって全部キライだなぁ、と思いながら店内に流れる音楽を聴いていた。幸せがつまりすぎているし、なんか嘘っぽい。それから、クリスマスは興味ないけどバレンタインは大好きという話をした。また今年も好きな人にチョコレートをあげたい。彼女は毎年旦那さんに手作りの苺大福をあげるらしい。素敵だ。

20181207

昨日の夜、家にまっすぐ帰った。服も着替えず、ばたりとベッドに伏して目を閉じた。寒い。でも頭が痛すぎて動けない。痛み止めを飲まないと…床に置いたバッグを手繰り寄せておにぎりを出して、横になったまま食べた。咀嚼するとこめかみにズキズキと響いた。時間をかけてなんとかおにぎりを食べ終え、這うようにベッドから出てロキソニンと胃薬を飲んだ。歯を磨いて寝巻きに着替えると力尽きてベッドに倒れ込んだ。ネックレスとブレスレットを外したい…でも無理だ。布団の中でうずくまるようにして目をつぶった。頭痛い…。春先にひどい頭痛が起こった夜のことを思い出した。私は別れたばかりの恋人を呼んで、仕事を終えた彼はその足で来てくれた。彼のコートはガサガサとした手触りで夜の匂いがした。あの時のほうがまだ少しよかったかもしれない。今は誰かを呼ぶ気力もないし、ここから玄関まで歩いて出迎える力もない。薬がじんわりと効いて痛みが丸く包まれていった。私はうとうとと浅い眠りに落ちた。

20181206

昨日の夜、ヨガへ行った。午後から頭痛がして、頭を急に振るとこめかみがギン、と痛んだ。ポーズを取るときに頭を揺らさないように注意していたら、全く汗をかかなかった。家に帰り、食事をしてからロキソニンと胃薬を飲んだ。テレビをつけて十時からドラマを観た。獣になれない私たち。終盤、お互いの傷をかばうように晶ちゃんと恒星くんは肌を合わせた。それは確かに愛だけれど、どんな愛だろう。私ならハグだけして帰るだろうなと思った。そこはタイミングじゃない。相手はかけがえのない人だ。ドラマが終わり、ニュースを少し観てからベッドに入った。一度眠りについたけれど、痛み止めの効果が切れて夜中に起きてしまった。

20181205

昨日の夜、ヨガを休んだ。今夜で寝不足をリセットしたかった。コーヒー屋さんを二件ハシゴした。ドリップパックを買うと試飲のコーヒーを淹れてくれた。予想外の展開があったので頭がしびれるように疲れていて、コーヒーを飲むと頭が冴え冴えとした。家に帰ってyoutubeを観て遊んだ。久しぶりにtofubeatsのディスコの神様を聴いた。藤井隆が踊り狂うところが最高で、クラブでもみんなこんな風に踊ったらいいのにと思った。大阪のクラブではフロアで皆揺れていない、くっきりと踊ってるよ、という話を思い出した。

20181204

昨日の夜、パワーヨガへ行った。あまりコンディションが良くないので控えめに動いた。汗はあまり出なかった。お風呂でお湯にゆっくり浸かった。帰り道、駅まで歩きながら、出会いたての男の人はどうして血液型を聞くのか、と思った。またか…と思いながら内緒ですといったり、もう会わないだろうなと思う人には嘘をつくこともある。確かに私は血液型のイメージどおりの性質だと思う。だからいいたくない。自分の扱いには慣れてる、でも他人が私を難なく扱えるとは思えない。家に帰って電気をつけずに窓を開けた。凍えるような風が部屋を渡っていった。

20181203

昨日の午後、リビングでお茶を飲んだ。ケーキ屋さんで買ったショートケーキを箱から出し、ウエッジウッドのティーカップを温めた。紅茶を淹れてテーブルに運ぶと、日差しはすでに傾き始めていた。金曜に二十四時間起きて遊ぶと、土曜は朦朧として過ごし、そして十二時間眠ってしまう。そうなると日曜に家事や買い出しが全部回ってくる。結局時間を前借りしているだけなのだ。この前、クラブのラウンジで知り合いの男性と話していた時のことを思い出した。顔見知りは沢山いるけど、実際は相手のことをほとんど知らない、と私がいうと、俺もだよ、と返ってきた。こういう場で会ったら皆と一緒に遊ぶけど、相手が昼間何してるか知らないし。そういうものか、と思った。確か同じような経験はスポーツをしていた頃にもあった。週に何度も同じコートに入ってラケットで打ち合いをする仲間でも、相手のことは苗字しか知らなかった。クラブなら真ん中に音楽が、コートの中なら真ん中にスポーツがあるから、後のことはざっくりでいい。その気楽さ。紅茶を一口飲んで、ショートケーキにフォークを入れた。真ん中の苺の部分が正方形で残るように、端からスポンジを切り崩していく。手を止めて眺めると、夕闇の中にショートケーキの王国があった。紅茶を飲みながらしばらく眺めた。王様はロマンティックが過ぎて芸術や恋愛にうつつを抜かし、国を滅ぼす。素敵だ。だって王様は、国が滅びることすらロマンティックだと思っているから。ショートケーキはバランスを崩してぼた、と皿の中で倒れた。