沢渡日記

日々徒然

20180407

昨日の夕方から、ひどい頭痛が続いていた。職場からまっすぐ家に帰り、食欲がないので豆乳と白あんのおまんじゅうを食べた。三時にロキソニンを飲んだから次は…。痛みはどんどん増していき、ドクドクと波打つようだった。尋常じゃないと思った。明日の朝、病院へ行こう。ロキソニンじゃ効かないから、点滴か座薬の強い痛み止めが要るかもしれない。ひょっとしたら入院かも…。家を空ける可能性を考えて、のろのろと部屋を片付け始めた。玄関の靴を棚に一つずつしまいながら、最悪に具合が悪い時になぜこんなマメなことをしているのだろう、と可笑しくなった。クイックルワイパーをかけながら、何か音が欲しくなって録画のanoneを流した。ドラマは六話から八話という中途半端な録り方で、前後がよくわからなかった。ただ、これが深い愛の話だということはわかった。苦しくて、でも一筋の光に手を伸ばすような。洗濯物を干す手を止めて、江口のりこが田中裕子に向かって泣きながら話すシーンを観た。この人は本当にいい…と思った。入院で必要な荷造りまでを済ませて、ぽとりと椅子に座った。iPhoneを手に取って、何度か迷ってから元恋人に連絡した。送信してから、全くどうしようもない女だと思った。私が彼にもう別れたいといったのだ。彼は驚いて、ひどく心配してくれた。その後何度も連絡をくれて、大丈夫かと私に聞いた。ありがとう、もう少しで薬を飲める時間だから、効いたら眠るよ。私はそう答えた。彼と話すと身体中の細胞がホッとするのがわかった。今でも家族みたいに思っているのだ、そう気づいて少しだけ泣いた。何も食べたくなくて、豆乳を飲んでからロキソニンを一粒飲んだ。横になって休んでいると少しずつ痛みが遠のいてきて、シャワーを浴びて髪を乾かした。今なら眠れるかもしれない。アイスノンを枕に置いて、首の位置を慎重に定めてから目を閉じた。深い眠りだった。真夜中過ぎ、仕事明けの彼がお見舞いに来た。私はぼんやりした頭でドアを開けた。頭痛い?と聞かれて、今は大丈夫、と答えた。彼のコートを裾をそっと掴むと、いつもの匂いがした。部屋に上がった彼は、ポケットから缶コーヒーを出してプルリングを開けた。どうしたの、と彼は聞いた。うん…私は水を飲んでベッドに座った。彼に会うのは久しぶりだった。